2019.06.12
第1回奥阿賀国際アートフェスタについて
佐藤賢太郎

  阿賀町豊実は、新潟県で一番人口減少の大きい過疎地であり、若者がいないところです。私はここを魅力ある地域にすることに興味をもっております。

過疎は阿賀町だけでなく、日本全体の課題と言ってよいくらいです。しかしその実現には、長い時間がかかり、大変困難なことが多くあります。この夢の実現に、既に20年以上かかっています。 

新潟県人、いや阿賀町の人でさえ豊実を知らない、その過疎地に最近外国人が来るのです。自ら調べて、この地に来たいと希望しています。外国人が我が家に来はじめて今年で5年目になります。

私は長い間、彫刻家として活動してきました。(今もしています)10年前から郷里豊実で暮らしています。そしてこの大自然を舞台に、自由なアートの創作活動を続けています。

そこで、この外国人を中心に、日本人との違いについて考えてみよう。シンポジウムでは異なる考えや同じ価値観などを、お互いに意見交換してみようと思いました。

 それが、奥阿賀国際アートフェスタの開催ということになったわけです。

 プレオープンは、危険を伴いながら杉林の森林で行いました。6月8日付けの新潟日報に「大自然をアトリエに」と大きく掲載されました。素晴らしい見出しでありました。これだと思いました。

 本番のオープニングセレモニーは阿賀野川をまたぐ船渡大橋の岸辺で行いました。船を浮かべるところから始めました。船を浮かべると川からは絶景です。豊実は過疎といわれますが、過疎ではないのです。それどころか、魅力が一杯あります。

船を岸に着け、作品を作るワークショップを説明し、アメリカ人の女性2人に絵を描かせると、とても楽しそうに描いていました。上手いとか下手とかという意識を取り払い、アートを楽しむことを示しました。周囲を囲む方々もとても楽しそうでした。

その後、シンポジウムを行いました。参加者の中にはこれまでの進行を見てか、これこそアートではないかと感想を述べる方もおりました。アートを楽しむことが参加者の中に広がったようです。

 国際アートフェスタも魅力をつくりだすことが面白くて、楽しいのです。