2013.12.22
単純明快に生きる
佐藤賢太郎

 読書はしたほうがいい。それは自分の環境から脱皮し、自分の考えをまとめ、その行動を押し広げることになると思う。知識を蓄えるためでも、知識人のように雄弁に語るためでもない。それしか分からないような狭い専門家は、私の理想ではない。理想的生活につなげたいものです。 

世界的に有名なドイツの建築家ブルーノタウトが日本の桂離宮を絶賛した。それは、そこに簡素な美があるからです。

私はこの文章を何度も目にした。そして、今日感じたことはこんなことです。我が家の生活は、廃材を活用した薪ストーブで暖を取り、太陽電気を使っている。私はガンになったことを機会に玄米菜食にした。無農薬田んぼの米を食べ、無農薬野菜を食べている。健康にも良いことは言うまでもないが、野菜は甘いものである。砂糖、卵、バターなど、むやみに使わない自然のおいしさが分かった。単純明快さがここにあった。使われていない田んぼを生かし、クレソンを植える。山の水で繁殖するクレソン、冬の野菜がない時節に食べられる。

ところで昨日、ガンで死んだ島倉千代子のテレビ番組を見た。歌を伴侶にし、歌を子供とし、死の直前に新曲をCD収録した。死ぬまで歌に命を賭けた方であった。

私は来年ギリシャに行き、「絆の彫刻」をつくることにしている。しかし、先は解らないことばかりである。ただ相手は歓迎しますということだけですが、私は何が何でも行くことを決意している。ガンを経験した私には、食生活も環境も全然違う生活にはリスクがある。しかし私は、それに向け渡航の支援金を集めている。二度と、こうしたことはできないであろうと思っている。 

島倉千代子のように、死の直前までノミをもって彫刻をするとは言わないが、私は彫刻家の生き甲斐としてそこに挑みたい。それは単純に生きることであろう。そしてそれは応援してくださった方に対するお礼であり、若い方へ善きメッセージを送ることになれたらと思っています。