2013.07.06
補修、桃源の湯
佐藤賢太郎 

個展が直前に迫ってきた。どのように日本橋高島屋に作品を運ぶか、これが私には当面の課題である。とはいえ、桃源の湯の窯もボロボロになっていて、直さないではいられない状態です。仲間が来ても、風呂に入れないのでは困ってしまいます。 

そしてコスモ夢舞にとって、桃源の湯は大切な施設である。今年春、排水の整備や崩れた崖の補修を行いました。そして今度は、窯の修理。これは絶対に、やらなければならない仕事である。やることが、次から次へと際限なくよくあるものです。 

大野さんがメインでやってくださいますが、その前日、中の煉瓦を出して積めるようにしておきました。そして本日雨の中、小宮さんが駆けつけてくださり、大野さんと窯の大リフォーム作業をしました。

 「もう、私たちが生きている間に窯の補修はないだろうね」といっていました。思えば桃源の湯は、多くの人の集まりの結晶で出来上がったものです。大野さんは、「もし桃源の湯を業者に頼めば、優に経費は500万円かかるだろうね」といいます。

ヒノキの風呂桶は無料で大野さんが手に入れました。初めは風呂どころではなく、放っておきました。ところが、鉄ステンレスのボイラー窯を水原の小林さんがくださいました。そして窯を支える大谷石、耐火煉瓦も小林さんの口添えで手に入り、それを仲間で運びました。風呂の建物は大野さんや建築会社の提供により賄いました。 

そして、屋根葺きは教え子の小板橋さんが葺いてくれました。作業はもちろん仲間で致しました。 

水は山の清水、燃料は廃材を使います。これは、どこでもできるものではありません。お金がある方はできるかもしれませんが、人の結集、ものを生かす工夫はできないでしょう。これが桃源の湯の自慢です。私に何ほどもの貯金はないが、体を動かしながら、豊かな生き方をしていると実感しています。勿論、物質だけで満たされません、やはり心です。私たちが生きている間、桃源の湯を何とか守り続け、使い続けていきたいものです。