2012.12.30
言葉の力
大塚秀夫

今年も第9回目を迎える里山アート展へ出品しました。作品名は『ネイチャー』です。これがその作品です。(写真)高さ1.5メートル×底辺1.3メートルの三角錐です。丸太を輪切りにして並べたものです。規則性が感覚でわかりますよね。ここには数学の法則が隠されているのです。三角に丸太を並べるときにできる数列です。ガリレオが「数学は神が書いた自然の言葉である」と言いました。科学者が神のことをネイチャーと言う意味がそういうところにありそうですね。三角に丸太を並べるとできる数列です。
=1
=1+2=3
=1+2+3=6
=1+2+3+4=10
=1+2+3+4+5=15
nn+1)

文字nで数式を表すことによって無限を表すことができる。

まさか、数学のことをテストや試験勉強以外に数学を勉強したことのない人間が皆さんに数学の話をすることが信じられません。自然を表す言葉が数学。その自然を表す数学をアートにしました。いま、アートを考えることがすごく楽しいのです。それをアートの創造というならば、創造することはいろいろな組み合わせが考えられます。創造するとは無益な組み合わせを排除してほんのわずかの有用な組み合わせだけを取り出すことであります。

それを見抜くことであり選択していくことなのです。この有用な組み合わせが見つけられたとき、何物にも代えがたい、創造する喜びがあります。

生み出すまでは苦しいです。適切な無駄のない組み合わせを見つけるまでは生みの苦しみがあります。

勉強をすることもおそらくそういうことが苦しくとも発見する創造の楽しみがあるような気がします。気がするとあいまいな答え方をするのは、残念ながら若いときそれが見つけられませんでした。いま、まさにその途上であります。

数学も好きではありませんでした。計算の訓練のように演習問題を解き、答えのある問題を解き、答えのある問題を伝授される授業に面白さを感じることができませんでした。なぜ2次関数があるのか。三角関数は何のためにあるのかも教えてもらえなかった。ノーベル物理学賞を取られ益川敏英先生は科学の基本は国語であると言われる。何につけてもすべて文章の言葉から入ってくる。読んでその世界が頭に思い浮かべらえるかどうか。その力があれば理解していけると言われる。そのあとは吸収した知識を頭の中で思い描いて 発展させていけるかどうか。数式は計算するものというイメージがあるが数式は基本的には言葉。数式とはかくかくしかじかの関係があるとか、○○という事実を表しているということを語っている。それを組み合わせて発展させていけば、答えに導かれる。なにかアートも組み合わせを発展させることで創造と同じことと思います。学ぶことが面白くなったのは答えがわかっている問題を単に解くのではなく、「数学ではなぜこのように考えるのか」「何を表現するためにこの考えは生まれてきたのか」を知ること言葉を通して、考えることが面白くなり、人生は本来このようにわくわくと楽しいものなのです。

佐藤さんに出会って、41年。佐藤さんには言葉に力があります。その佐藤さんにさいたま市で講演会「いのちかけて蘇る」を企画します。来年もわくわくと感動いっぱいにするぞ。