2008.04.22
感動ある出会い2
御沓 一敏

感動ある出会いには、人や本との出合いそして、このたび情報との出会いがあることに気付かされた。

冬場仕事の一つであるコスモ夢舞台シンポジウムのテープお越しが終わり、いよいよ印刷ができるような形に整えなければならない。A4サイズの原稿をA5サイズの見開きページにする方法は、昨年、奥会津書房の編集長遠藤さんに教えていただいたが、裏表に印刷して中綴じにするにはページの割り振りが厄介である。何か法則があるはずだということまでは分るのだが、その先が見つからない。

駄目もとと思いながら今年も、インターネット上で検索をしてみる。諦めかけた最後の方で見つかった。「WordでA5版の冊子をつくるには」というタイトルが目に飛び込んできた。早速、試してみる。試行錯誤の末、ついに完成した。自分にとっては、4年目にしての快挙であり、しばらく、一人で喜びに浸っていた。

インターネットの功罪が問われるような事件については報道されるが、こうした利点はなかなか公表されない。

   すぐにも、お礼を申しあげたいと思ったが、宛先が分らない。上記のページのアドレスから辿って行くとある大学の同窓会のHPに行き着いた。返信用のメールアドレスがあったので用向きを書いて送信したが、エラーになり届かない。幸い住所録があったので探したところ、千葉県船橋市のTさんに違いないということが分った。

手紙にしようかとちょっと躊躇したが、まずは電話を入れてみた。奥様が出られたが、「主人は、いま、おりません」という素っ気ない返事であったため、残念ながら用件だけお伝えして受話器を置いた。

その日の夕方のことである。「今朝ほどは、とっさのことで、言葉が出なくて失礼しました」とTさんの奥様からの電話である。ご主人は昨年の8月、癌のため74歳にして亡くなられたとのこと。
   エンジニアの方でパソコンのことではいろいろな方のお世話をして、全国からお礼の電話や手紙が入っていたことやHPも2つ見られていたことなどを話してくださった。「生きていたら、お目にかかれて、さぞかし喜んだでしょう」という言葉に対してこちらは、「悲しみのまだ、癒えてないときに思い出させて申し訳ありませんでした」と申しあげるしかなかった。

ともあれ、生前、Tさんが発信された情報により私は救われましたとお礼を申しあげながら、改めて、ご冥福をお祈りした。(合掌)