2010.12.19
2011年への夢
森紘一

 陽射しもあたたかい師走18日(土)の昼さがり、京王線仙川駅からほど近い「プラザギャラリー」へ大西 亘(あきら)さんと出向いた。今年の里山アート展に出品参加された田中清隆さんの個展「複眼感覚」の鑑賞が目的だった。

駅前商店街から仙川一丁目にかけての街並みは建築家安藤忠雄さんのデザインで一新され、こじんまりしたアートアヴェニューとなっていた。個展会場の南パティオ前の小スペースではワークショップや小物の販売も行われている様子で、家族連れや老夫婦の立ち止まる姿が見受けられた。

まさかそこで、六文銭の牟田口 努さんや衛守和佳子さんに出会うとは予想もしていなかった。さらに、長谷川千賀子さんや吉田冨久一さんが炭火を焚きながらワークショップにとりかかっているのには驚いた。里山アート展の作家の皆さんとは「やぁ、やぁ」と明るい笑顔の挨拶となった。

むかいの北プラザでは中島史子さんの珍しい銅版画・ジュエリー展も開催中で、週末の「プラザギャラリー」周辺はのんびりとした異国の街角風情が漂っていた。

そんな場所で、吉田冨久一さんはクリアファイルから二枚のカラーコピーを取り出し、ニコニコと立ち話がはじまった。「阿賀野川龍神プロジェクト2011案」には三つの提案が書き込まれていて、その一つは『「循環・再生アート」コスモ夢舞台 里山アート展2011に向けて』と題されていた。“コスモ夢舞台に立って、人は自らが宇宙のどこにいるかというコスモロジーを感じ、考える”と添え書きがあった。
   それはちょうど、HPに掲載された佐藤さんの「コスモ夢舞台を発信する心」と呼応するかのようだ。

  抜粋すると“山菜や休耕田に植えたクレソンがいっぱい増え、天ぷらにしました。自然のミネラルを体内に取り入れることの大切さ、土を良くしなければ野菜はできないのです。土つくりに汗を流す、捨ててしまう丸太や廃材を燃料に使う、循環と再生、そして創造という古くて新しいテーマを仲間とともに語るところに意義があります。”

上京された佐藤さんを囲む12月の東京ブロック例会で、我われも来年の計画と夢を語り合ったばかりである。ビオトープづくりやフォーラムをさらに進めて都市との交流をはかり、作家の皆さんともども心豊かに生きていきたいものである。