2009.7.22
夢舞台づくりと夜ばなし
森 紘一

 18日から20日まで、今年2度目の体験学習で豊実にむかった。高速道路料金の割引もあって、東北道は宇都宮を過ぎても渋滞のままだった。昼近く、郡山から磐越道に入ると今度は大粒の雨、一人旅には退屈なドライブ日和となってしまった。
 それでも、リトアニアから戻っているはずの賢太郎さんの土産話を楽しみに、1時半には和彩館に到着した。

 東京のA区立K中学校生5人の到着も大幅に遅れ、阿賀町公民館まで出迎えに行ったマキ子さんと野沢の叔父さんが戻ってきたのは5時過ぎだった。

 その間、賢太郎さんと大野さん、地元のFさんと田んぼの畦道に仮設する舞台づくりに汗を流した。 急きょ、つくることになった40人が立つ野外ステージとは、「里山アート展」会場の田んぼと畦道に丸太の杭を20本以上打ち込み、それを角材で固定して、その上にコンパネ4枚でつくった箱床を6本並べるというスケールである。
 まさか、こんな舞台づくりがはじまっていようとは思いもつかなかった。

賢太郎さんのリトアニア訪問と前後して、突然知らされたエストニアの「エレルヘイン少女合唱団」の来訪は7月27日である。全国縦断コンサートの移動休暇を利用した田んぼで歌うステージは、彼女たちにとっては息抜きであり、鮮烈な思いでとなるに違いない。日本の素朴な自然と、そこに暮らす人々のあたたかさを知ってもらう絶好の機会でもある。 

10月の「奥阿賀・田んぼ夢舞台祭り」につながるこのビッグイベントは、コスモ夢舞台にとっても大きな出来事である。それだけに、田んぼの‘夢舞台’は自分たちの手で堅固に用意しておこうというわけだ。  
   日曜日に新幹線を利用して駆けつけた大塚さんも、さっそく舞台づくりに加わった。体験学習で豊実を訪れた中学生グループも、わずかな時間だったが、この作業に参加した。これもまた、あとから喜びの湧く貴重な体験となったのではないだろうか。 
   三日間、天候には恵まれなかったがそれだけ夜は長かった。我われも体験学習の中学生と同じで、有意義な語りあいの時間を楽しむことができた。
   リトアニアの土産話以上に、これからのふくろう会とコスモ夢舞台が話の中心だった。

仲間が元気で動けるうちに、ギリシャのアマリアーダの旅を実行しようという話で盛り上がった。その前に、来春の高島屋の個展は、賢太郎さんの講演などで会場をふくろう会でジャックしてしまおう、ということになった。古木修治さんや今回のリトアニア訪問で賢太郎さんが知遇を得た経済界の重鎮もお招きして、ご挨拶をいただくと同時にコスモ夢舞台を全国区にPRしていく機会にしていこう、と夜話は尽きなかった。

 それにしても、ふくろう会員の一人ひとりの健康は気になるところで、和彩館の円卓を囲んだ放談でも「元気なうちに」という言葉が頻繁に飛び交った。『動いてこそ感動に巡り合える』は我われに共通する実感だが、一人ひとりの事情やそのための努力を、みんなで語り合い共有していくことが、どうやら大切な時機になってきたようだ。