2010.04.07
ギリシャで感じたこと2
森 英夫

   旅の4日目の晩。リオシス夫妻、バジリス夫妻を招いての我々の側のお礼の気持ちを込めた晩餐会の時の話です。

魚屋のTさんが横笛を披露した時、バジリスが私に訊ねました。どうしてあの人は布を頭に巻いたのですか。あれは一体何の意味があるのですかと。

私はすぐにTさんにバジリスが訊ねていることを伝えました。

するとTさんは、英語を一言も喋らずに実に分かりやすくバジリスに答えました。

まず、唐草模様の手ぬぐいをバジリスの前に持ってきて、まずデジカメを包んでバッグ代わりになること、頭にホッカブリして泥棒になること、そして頭に鉢巻をしてガッツポーズをして気合を入れた瞬間、リオシスは「オオッ!」と大声で叫び、本人自ら鉢巻をしてガッツポーズをしました。

言葉を一言も喋らずに言いたいことを余すことなく伝えました。バジリスはTさんがどうして鉢巻をしたかも分かりましたし、日本の手拭がどういう役目をするものかも分かったのです。

その時の盛り上がりようといったら大変でした。Oさんも横でガッツポーズはするは、隣で奥さんも大笑いで周りにいた人はガッツポーズの連発でした。そして何より良かったのは、その手拭をTさんがバジリスにプレゼントしたことです。

バジリスと奥さんは大喜び。盛り上がった話・その1でした。