2013.04.03
カマルグ紀行2
佐藤賢太郎 

初対面に近いような若い方々とフランスに行くことになった。その上、英語すら満足に理解できない私である。そして2人ともフランスで暮らしている経験がある。この度は米つくりの農業技術や田んぼアートが可能かどうか検討し、その促進に役立つように出向いたようである。私の出番はほとんどないような感じであった。 

あるとすれば人と人を繋ぐ役だろうか、出番がないこの空間にいることが私の良い体験になるだろう、そう勝手に思った。 

夜中に着いた空港には先方から迎えの方が来てくださり、我々3人をアルルのホテルに車で送ってくださった。道すがら磨家浩之さんは、私が気落ちしていないかと気遣ってくださったが、気落ちなどしていない。気に入ったワイシャツがなくなっただけであった。 荷物が帰ってくるに越したことはないがこれもいい経験と思った。

 翌朝の朝食は8時だと言われ、7時にホテルの玄関に集合して街を散歩することになった。アルルの街は、驚いたことに新しい建物は一切ないほど昔の石つくりの建物ばかりであった。ことに闘牛場はボロボロになっていたが、修理して使われているようであった。まるで時代劇のセットのようである。日本ではありえない光景である。 

何と言っても日本のように地震がない国ですから、石積みが崩れることがないのでこうして残っているのでしょうか。

街の路地はすべて石畳で、建物は古く重厚感があった。早速絵葉書のある店に入った。磨家浩之さんは得意のフランス語で店の方と何やら話していた。

フランスに来て初めてホテルでの朝食、建物はかなり古い。しかし、そこを簡素ながら上手く生かしている。インテリアもおしゃれに感じた。私はパンと持参のお茶だけを沢山いただいた。磨家浩之さんはパソコンを持参し、早速日本に無事着いたが私の荷物が届かなかったと報告していたようである。彼はパソコンにかなり詳しいようである。それもそのはず、その分野の外資系大企業に以前勤めていたという。私にはとても接続などできないのに、いとも簡単に接続してしまった。これも彼の才能の一つであろう。