2013.04.03
カマルグ紀行4
佐藤賢太郎

25日、闘牛場を後に今日の宿フランソワーズの事務所に向かった。途中で米農家に立ち寄ったが、ご主人が不在であり話ができなかった。屋敷が広くて、どこから入るかが分からないほどであった。

川に差し掛かったが、しかし橋はないのです。船で車ごと運ぶシステムになっていました。日本なら絶対に橋を作るでしょう。私の故郷はそれこそ過疎なのに、立派な橋がかかっています。これもフランス人との考え方の違いなのだと思いました。

事務所に着くと玄関に当るところの屋根に金属製の蚊のモニュメントがあった。どうして蚊なのか分からなかった。あとで聞いて分かったのだが、ここは湿地帯のため水たまりや、家畜がいて夏にすごい蚊が発生する場所であり、それで作ったらしい。今回は夏でなくてよかった。

ここにはアーティストやパフォーマンスの方、舞台を作る方がいて、海外にまでその用事で出かける、そのような仕事をする会社らしい。ようやく役員をしているフランソワーズの仕事のあらましが見えてきました。フランソワーズの車がいつも泥だらけな理由も分かりました。そのようなところを走るからです。

キャンピングカーを住いにしている方もいる。私たちはゲストハウスに当る部屋に案内され、ここで2日間泊まることになった。タコ部屋で寝泊まりすると聞いていたが、一人一部屋を与えられた。

夕食はここに集まる有志の方々と囲んだ。集まった仲間で簡単な夕食を作った。いつものように話は分からないが、笑顔で接する。ギリシャではいつもこうであった。磨家浩之さんに通訳していただいたのですが、「私はフランスに来てルーブルを見るよりも、ここに来て皆さんと会えてとても嬉しい」と言うと、ある方は「私たちこそあなた方が来てくれたので皆が集まり、こうして楽しく過ごせて、こちらこそありがとう」そのように通訳してくれた。

やたらにタバコを吸うのだが、タバコのラベルにガンになりますよと書いてあります。自己責任をとること、それを承知で煙草を吸うということらしい。しかもガンの写真まで貼っています。日本では考えられません。

ともかく、見ず知らずの方と食事をすることになり、ワイワイガヤガヤとなりました。良い経験ですね。一人なら言葉が通じないときは別の手段で楽しむ、それが知恵です。こうして長い一日が終わり就寝となった。