2009.12.01
再びギリシャへ1
佐藤賢太郎

私は2006年、思いがけないことに、奥会津書房の遠藤由美子さん、EUジャパンフェスト日本委員会の推薦によってギリシャの彫刻シンポジウムに参加しました。アテネから車で5時間もかかるアマリアーダという小さな村に一ヶ月間滞在、彫刻の制作、そしてパルキ港に彫刻を設置されました。私は彫刻制作と同時に言葉が通じない中で、毎日人々との出会いを殴り書きのように便箋に書きました。帰国後それが「ギリシャからの手紙」ということで著書刊行にも至りました。

 それを読んでくださった友や知人から、とても面白い私もその地に行ってみたい、普通のツーアーのような旅でなく、「佐藤さんの作った彫刻を見学し、ギリシャからの手紙に出てくる方に会ってみたい」と声が上がり、ギリシャに行こうとなりました。

いつの日にかと思っていましたが、ついにそのときがやってまいりました。人はいつどうなるかわからないもの。このタイミング今しかないと思い、2010年3月26日に成田出発と帰国は4月1日と決定しました。行く方は仲間がほとんどですが、中には高校時代の同級生、そして「ギリシャからの手紙」を読んで感動したと言う方も参加することになり、現在参加者

は13名です。参加希望者は何方でも可としますが条件は「ギリシャからの手紙」を読んだ方に限ります。そしてどんな風になろうとも文句を言わないこと。これが条件です。

今回は一応日本人でギリシャ在住20数年の通訳も付くのですが、いわゆる観光旅行でない。私が暮らした、出会った方をたどる旅であります。先がどうなるのか解からない旅でもある。行ってみなければ会ってみたいという方にも会えるかどうかも解からない。    私が3年前泊まったクルータのフォーシーズンホテルは5月からオープンということで残念ながらそこには泊まれない。美人のビキニの姿はいない季節です。ただその海岸を歩き、お土産にと持ち帰ったきれいな石を拾うことはできる。そしてオリンピック発祥の地、オリンピア見学もできる。アマリアーダの町も行ける。なんともないようなことで一体何が楽しいのだと言われそうだ。さてそこで何をするかそれまで考えておこうと思う。

こんな旅は初めであろう、私もない。私自身どうなるかもわからない。それでもいいと仲間は言うのである。滞在は短い時間ではあるが私が体験したような場面に、どこかで遭遇していただけたら面白いと思っている。それにはギリシャ語、英語も少しを覚えて行くことも必要であるかもしれない。