2010.04.19
プレゼンとリオシスの言葉
佐藤賢太郎

3月28日
   歓迎会をするらしいが、どういう歓迎かになるかわからない状態(リオシス主催なのか、市主催なのか)であった。そこで、私は日本人形を持ってゆくことにした。ケースに入った人形を運ぶことは容易ではなかった。仲間で手分けをして運んでいただいた。                               

歓迎会の朝4時に起き、同室の紘一さんに手伝っていただきながら組み立てました。当日こんな風に恭しく渡そうとリハーサルもしましたが、そんな雰囲気で進行しませんでした。リオシスさんや奥さんから先にプレゼントをいただき、その後に人形を渡すことになった。

私たちのプレゼントはモノだけではなく、歌(さくら)の合唱や尺八(鈴木隆雄さん)、横笛(塚原さん)の披露もあった。

食事をしているより話をしている時間がほとんどであった。こんな食事会は日本ではないだろう。話すことがメインです。日本なら酒が入って食事をする場にふさわしくない、やめろと声が上がりそうです。リオシスさんは「タバコを一服していいですか」と言いながら、二言と言ってはまた話し出します。これにはみんな大笑い。また話が長くなると分かっていたからです。食べることより話をすることが楽しみです。もちろん仲間も話を聞くことを楽しんでいたようです。私たちは食べに来たのではくギリシャ人に会いに来たのです。

リオシスさんの言葉に、仲間は耳を疑ったかもしれないということが多くありました。「私はサトウと友人以上の関係にある」「サトウは半分ギリシャ人である」「私は長い間、いろいろな芸術を見てきたが、芸術が大切なのか、人間が大切なのかその判断に迷っていた。それが今、明確になってきた。芸術家というより人間サトウが大切なのだと分かりました」(最期のこのフレーズは、正確ではないかもしれません)「また思うに、今こうして私と共に歩いてくれる友の存在は受賞ものです」

私はさしたる受賞をいただいたことは一度もないけれど、これは私の人生において勲章、受賞と受けとめました。人をこのようにしてあげられるリオシスの人間性に感心致しました。人に勇気や希望を与えると言うことでしょう。私もそうなりたいものです。