2009.12.

2014.04.07
異色の集会に出席して
森 紘一 

 4月6日(日)、JR北浦和駅のQueens伊勢丹カタルスホールで小さな集会が開かれた。主催は、心を育てる学習塾WIN&WINセミナー。「子を持つ親の集い」のテーマは“自然の中での子どもの教育”。こころざしの高いまれにみる講演会だった。 

 午前10時、塾長の古田修一さんが挨拶に立ち、開催の経緯を語った。いわゆる進学塾が、創造力や考える力を子どもたちの身につけさせるにはどうしたら良いかと腐心していること自体が、わたしには新鮮だった。古田さんの厚いおもいを聞きながら、なるほど佐藤さんや我々コスモ夢舞台に共振するわけだと得心がいった。 

 冒頭、佐藤さんは会場にいた新潟大学の女子学生を紹介された。突然、発言を求められた彼女はためらいながらも「今年、自分を問い直す意味で留年を決めました。今回はその振出しです」と語った。なぜ、彼女が浦和の集会に出てきたのか? 佐藤さんとの接点に何があったのか? それを考えてみるだけでも、講演会の意味は充分あったようにおもう。

  講師の佐藤さんは、自らの軌跡を体験に基づいて淡々と語りつないでいく。その時々の決断や挫折、喜びは、生きる意味や幸せ、人間力のつけ方や人とひとの繋がりの大切さを物語って、素直にひびいてくる。パワーポイントを駆使した映像も、臨場感があって分かりやすかったのではないだろうか。

 さて、熱心に聴講されていた塾生の親御さんたちは、はたしてどんな感想をお持ちになっただろうか。当面する成果以上に、親御さんにはその先を見据える視点を持っていただきたいものである。 

 今年5年目に入るNPO法人コスモ夢舞台にとっても、「教育」はこれからの大きなテーマのひとつである。その意味ではこの夏、豊実で計画されている“自然塾”の共催はわれわれも大いに楽しみにしている。

 学校や行政サイドではない民間レベルで芽生えた教育問題についての交流の輪は、ぜひ全国的に伝播していきたいものです。 

 古田塾長には、これからも力強くその一翼を担っていただきたいと願う。「感動ある人間交流」「本物と向き合う」「一人ひとりが輝く」をモットーに、夢に生きる喜びを次世代からさらに若い世代へ継承していくことは、我々の責務であるとおもう。