2009.12.

2011.11.06
きたかた大使シンポジウムでの出会い
佐藤賢太郎

11月4日、喜多方プラザにおいて全国に元気を発信する「きたかた大使」によるシンポジウムが開催された。そのことについては別の機会に書くことにします。

今回は「きたかた大使」の集まりで、身近に話し合った小林大使とのことを書こうと思う。小林大使は元千葉工業大学の准教授で、懇親会で隣の席でした。新人大使の私に「大使になったが、私は何ほどのこともできない。あなたのような彫刻家のほうが発信できるでき力があるよ」と言ってくださった。

私は「市長さんがどう感じるか分からないが、私には喜多方を発信できる具体策が二つあります」と話しました。一つは新潟県で、田んぼ夢舞台祭りや里山アート展を開催していますが、喜多方の方々に参加していただきアピールしてもらうことです。そしてもう一つ、私は2006年ギリシャのアマリアーダの港に現地で制作した彫刻を設置(*1)させていただき、以来その地の副市長さんと太い信頼関係を結び、深い人間関係を持つことができたこと、そして昨年、友人13名と再訪問し大歓迎を受けました。副市長さんからは、再度ギリシャに来てもう一点作品を作ったら、その場を日本とギリシャの友好広場にしよう。さらに、“あなたを名誉市民にしよう”とまで言っていただいたことを語りました。

しかし、「これを実現するには、今のところ友人を頼るほかありません」と言うと、小林さんは「我々、きたかた大使の有志で送り出したらいい。今日のような我々の交通費を集めれば、あなたをギリシャに送りだせる。それは任命された我々にとっても、やりがいのある全国発信になるし、それこ

そ喜多方のアピール度は抜群だよ」と真剣に答えてくれました。そして、さっそく2、3人の大使に話をしてくれました。しかも、好意的な反応があったのです。

私はシンポジウムでは発言しなかったのですが、このような大使にめぐり会えたことは収穫であった。

ギリシャの財政不安から世界中が揺れているとき、誰もが近寄りたがらないが、私はそう思わない。わたしも体調は万全ではないが、命がけで取り組む覚悟があります。

日本も世界も経済効率に走った結果、破綻しそうになっている。さらに東日本大地震以降、日本人の生き方も見直しを求められている。そんな今日、人間関係の信頼や人間の生き方を無言のうちに発信できるシンボルモニュメントができるなら、彫刻家としてこれ以上のことはない。

オリンピック発祥の地オリンピアに近いアマリアーダに日本人の彫刻がある。しかもただ作品があるのではない、人類が平和であることを願うシンボルである。これに共感し手を差し伸べる方は幸福を得るのであろう。この地が新しい観光地となる。

(*1)2006年欧州文化首都パトラス(ギリシャ)『2006年委員会』の要請により、EU・ジャパンフェスト日本委員会から石彫シンポジウム参加の支援をいただく。ギリシャのアマリアーダの港に作品『ゴルゴーナ(融合)』設置。帰国後、ギリシャの講演多数。『ギリシャからの手紙』(奥会津書房)刊行

<作品設置による期待>

1.人間の信頼と絆を形にするモニュメントになること

2.ギリシャと日本(喜多方)の友好関係ができること

3.日本人が立ち寄る観光地になること

4.結んでくれた、送り出してくれた人びとも輝く

<作品設置後の企画>

1.現地での講演、日本での講演

2.送り出した方とギリシャ現地再訪問交流 

3.「ギリシャへの想い」刊行(滞在記)