2010.02.24
個展の日々7
佐藤賢太郎

以前、里山アート展のアートシンポジウムにパネラーとしてお出でくださった美術評論家 藤島俊會さんが,今回も髙島屋の個展取材にお出でくださった。私は作品を作るコンセプトを藤島さんに話した。今回はじめて藤島さん自ら撮った写真が新潟日報文化欄の県人アートに掲載された。新聞のタイトルは「縄文の血かんじる力作」とつけられていた。

今回の評論は、今までとは少し違っていると感じた。藤島さんは「近年の作品は次々と未知への挑戦をクリアし、新しい出会いを実現させて着実にステップを踏んでいる」「佐藤の身体は縄文の血を受け継いでいるかのように自身の本領を発揮している」と評論してくださった。

この文化欄は、新潟日報新聞全県版に当然掲載される紙面である。文化に関心ある方なら誰もが目を通す紙面である。東京での個展開催のおかげで、2、3年に1度は掲載されてきた。そんなこともあり、新潟県内では私のことを知っている方も多いと思う。

私は、過疎の地域にアートで何ができるかといつも問いかけている。そんな話も藤島さんにしております。もちろん、藤島さんに「コスモ夢舞台vol.2」を差し上げた。そこであつかましくも、今年も予定している「コスモ夢舞台Vol.3」に原稿依頼をお願いしたところ、快く引き受けてくださった。

私の里山アート展の作品は、個展に出品するようなものとは違って抽象です。具象とは反対のような立体造形です。

里山アート展の作品とどうつながっているのか、私はこう考えています。時間をあまりかけられないなかで、しかもあるものを生かして無から有を生み出す、それは瞬時にひらめくものを形にする創造力を養うことに役立つ。日常と違うことに挑戦する、これが面白さである。これまで多くの作品を制作してきましたが、アイディアを生み出す訓練になります。たとえば「分解する顔」、これなども割れた石を造形作品に変えているわけで、ここにその成果が表れているのかと思った。