2012.03.12
佐藤賢太郎展
大塚秀夫

早朝に散歩していると猫が、私のそばを愛らしく横切った。一瞬私は『猫を愛しい』と思った。そのとき佐藤さんが『生きものたちの命』を愛でて、作品に表わされた心に共感できたような気がした。

2月10日、作品にかける思い、ライフワークについての美術評論家藤島俊會氏のトークは残念ながら聞くことができなかった。作品もゆっくり見ることができず、懇親会も駆けつけた時はすでにお開きであった。

あらためて、ゆっくり日曜日に家内と美術画廊を訪ねた。画廊は佐藤さんとゆっくり話ができないほど、人でにぎわっていた。佐藤さんの作品を沢山所属しているコレクターの方がリキを求められていた。「自分がなくなったら佐藤先生から買った作品はすべて寄贈します」とお話しされていた。私の妻は美術画廊の入口におかれた猫が気に入ったらしい。見上げている猫である。あいにく、お買い上げになっている。

不思議なのは以前ふくろうの3兄弟を購入したとき、家内は「これを最後にして」と言っていた。その家内が見上げた猫を気に入り、欲しそうにしている。不思議である。佐藤さんの「いのちの個展」に共感して作品を欲しそうにしている。横浜高島屋での家内の作品を見つめる目は本物であった。新居にまた、佐藤さんの作品が飾られるのは楽しみである。