2011.03.19
大地震との接点に
佐藤賢太郎

今回の東日本大地震は、1000年に一度といわれるほどの誰もが予想がつかない大惨事になりました。

そうしたなか、EUジャパンフェスト日本委員会より支援物資が次々と我が家に送られています。もちろん私に支援ではなく、被災地に送るためです。東北方面は物資が輸送されていないので、東京から新潟回りで私のところまでは迅速に届くからです。この支援物資を一度ストックしておき、流通ができるようになってから本当に必要とされるところに運ぶことをEUジャパンフェスト日本委員会や奥会津書房、坂下町有志の方と打ち合わせをしています。困った、大変だと話をするだけではなく、民間でできることを行動に移そうとしているのです。

坂下町や阿賀町にも避難して来た方がいらっしゃいます。友人の東松島、石巻市の方と連絡が取れましたが、無事でした。本当に良かったです。その方は「本当に困るのはこれからです。もう少し待って、それから運んでください」といっています。私も仲間の呼びかけ、支援物資のダンボール一つでも多く集めたいと思います。

 テレビに釘付けになってため息をつくのではなく、行動することが被災者に手を差し伸べることになると思います。人は助け合いながら生きてゆくことが何より大切です。その意味で、すばやく行動されるEUジャパンに学びたいものです。EUジャパンは日頃から文化活動に支援していますが、まさかの時にこのように、即行動されることは素晴らしいことだと思います。理論、理窟ではないのです。 

復興には時間がかかりますが、人間は何を目指して生きるのかという大きな視点で、全世界の人びとに立ちあがってもらいたいものです。

経済的な繁栄を目指して今日まで来た日本や諸外国も、人間的に「美しく生きる」ことを最終的には見つめてゆかねばなりません。こんなとき、義援金の詐欺まがいの噂などを聞くと嘆かわしく思います。日本の恥じであります。美しい日本を発信し、作り出すことが大切であると思います。今回の地震を見ても、自然の猛威はすごい力で、人間力の及ぶものではありません。科学文明によって自然現象を分かっているつもりでいたことを反省し、自然の摂理に従って生きることを忘れてはなりません。医学にしても、なんにしてもだと思います。

 今はできることに手を差し伸べたいものです。次は震災で私がお世話になるかもしれません。