2016.02.03
宝の山
佐藤賢太郎 

先日、我が家と同じく中学生の教育体験の受け入れしている、Yさんが我が家に来訪された。彼は黒米を作り、もち草などの野草を混ぜてそれをお茶にして方々に販売している方である。

中学生の教育体験受け入れも、受け入れる側が組織を作ってゆかねばならないと説明されていた。私は説明を聞いてその通りであると思った。 

そのことはまずおいて、私は日頃話すことがない中で、Yさんに共感したことが一点あった。新潟県の中で、阿賀町は過疎化の著しい地域であります。高校を卒業すると都市部に移り住んで、ほとんどUターンする人がいないため、どんどん人口が減少しているのが実情です。多くの方は仕事がないからここに住めないというのが大体の理由だと思います。

しかしYさんは、「ここは宝の山だよ、足元に宝が一杯ある。それには常にクリエイティヴでないといけないよ。時たまどうするか考えるのでなく、常に考えていることが必要なのだ。そして、ハングリー精神が必要だ。だから生活そのものだよ」と言います。私も常に考えることが必要だと思う。彼は誰も作らない黒米を作り、それにヨモギや、クコの実を混ぜたりして炒ってお茶としている。そして黒米を粉にしてクレープを作り大学で販売する。そのルートもつくりあげている。黒米を作っただけではダメである。その販売ルートをもつこと、ここがまた難しい。彼にはそれができている。ただし相手を説得するために動かなければならない。 

そのような、私にない能力が彼にはある。しかし、私にあるものが彼にはないと思った。そのことについては、ここで触れないでおきます。

ただ、ここは雪が降って、山奥で何も特産がない。ナイナイばかり言って、何も生んでいないではないかと思う。新しいことを考え、挑戦する、クリエイティヴさが必要条件であると、私も常々思っている。何もない、不便なところというけれど、ここにはきれいな空気、水、自然がある、それに、人があまり来ないという価値もある。 

私はこの方に、11月の都市との交流シンポジウムのパネラーとして参加してくださるよう、今からお願いをしました。