2011.08.28
長期テレビ取材を終えて
佐藤賢太郎

1時間番組「にいがた大好きエコスペシャル」というNSTの看板番組の収録が、ここコスモ夢舞台で7月中旬から始まった。延々と続いた取材は、8月末にようやく終わった。

こんなに長い取材は初めてで、いささか疲れた。これも自分の意志とは関係なしに動く、時の流れとの出会いであろうか。

私たちは過去、コスモ夢舞台の建設作業をすすめる中で「NHKのプロジェクトXですね」、と冗談を言い合っていた。それがまさか、コスモ夢舞台が1時間番組で放映されるとは考えもしなかった。

取材は里山アート展、ビオトープ作り、体験学習、リフレッシュツアー、そして食と本当に多岐にわたっている。何を目指しているのか、まとめるのが難しいかもしれない。

資金もないが友と語り合う場を作ることから始まったことが自然にこのようなスタイルになってきた。私のことを言えば、病気を通して食を考えエコの食事になってきた。すべて導かれているようにさえ思う。

しかし、どんなに言葉や映像を並べても真実がすべて伝わるものではない。結局、見る方の想像力に頼るしかないだろう。また、夜7時からという時間帯は軽やかさが求められる時間帯だそうです。

たしかに、夕食の時間帯に深刻なことを好んで見る方は少ない。違う時間帯で、コスモ夢舞台を語るという番組ではないことを登場した仲間には理解していただきたい。私たちはこんなに苦労して作り上げたなどと、過度の期待をしてはいけないようです。

番組の制作にあたっては、担当のデレクターさんと何度も打ち合わせをした。もちろん私の人生観も話した。

番組内容を分かりやすくするために、取材の撮影順ではなく場面が前後することもありますが、本筋がずれていない限り諒として納得しました。

「にいがた大好きエコスペシャル」というタイトルに合うように、いかに収録画面を組み合わせるかがデレクターの腕の見せ所である。当然、登場人物にも語っていただきながら組み合わせを考え、構成してゆく作業である。カメラ、音響係り、タレント、登場者のそれぞれに気を遣いながら進めてゆく。何でもそうですが、自分でやってみると外から見るより大変なのだろうと思う。コスモ夢舞台を推進している立場で考えると、それはよくわかる。

しかし、例えばテレビは短い時間の中で終了するがコスモ夢舞台は長い時間と広い地域、多くの登場人物がいる。そもそも一つのテーマに沿ってまとめるわけにはいかないし、先が分かって歩いているわけでもない。歩きながら考える、いわば生きた番組つくりである。もっとも、スポンサーなどの制約はないから自由である。

さてこの番組を通して、ともかく何の変哲もない豊実でエコの生活を楽しみながら、都市との交流を続ける人間がいることを多くの方々に知っていただくことになることは間違いない。

そして、そもそも田んぼの「里山アート展」からスタートしたコスモ夢舞台の交流の輪が、ビオトープづくり(環境)やコスモ夢舞台塾(教育)へ広がっていることを知っていただけることはありがたい。ここにこそ、この番組の価値があると思う。あらためてスポットを当てていただいたことに感謝申し上げます。

   “夢を創造すれば、おのずからそこに人と自然は宝物になる。”
過疎にも夢は描ける、嘆くことはないと思う。