2015.03.10
ゆったりした時間
佐藤賢太郎

 ともかく、私は今日まで走りに走ってきた。修行時代は、一年間で休みは正月の3日間であった。この3日を京都の桂離宮、修学院離宮、奈良の長谷寺など、さらに、鎌倉や埼玉県を駆け巡った。家内は走ってばかりで疲れてしまうと言っていた。

やがて、コスモ夢舞台づくりに仲間と共に奔走し、毎年ハードな歳月を過ごしてきたと思う。その後、私自身がガンになり、母の介護が始まり、否応なしに今までの流れが大きく変化してきた。毎日母の介護は私たちの一仕事になりました。ですから外に泊まりで出かけるときはショートステーにお願いします。そうする度に母は機嫌が悪くなります。しかし時間がたつと忘れてくれます。

 この度、岡崎、名古屋に行くことにしましたが、個展開催のついでではなく、人に会うために行ってきた。「人生に悔いなし」で述べた通りであります。さて、新潟に帰るフライトが夕方までなく、かなり時間があるのでどうしようと思ったが、中部国際空港で待つことにした。午前10時から午後の6時まで、時間がたっぷりありました。飛行機の離着陸を見学して、食事は昼夕と2回。それでも時間があり、飛行機の料金割引について、係りの方から教えて頂きながら、ともかくゆっくりできた。空港で、こんなにゆっくりしたことは初めてである。フランスでゆっくり過ごした日を思い出した。

日に何便もなく、暇な空港なのかと思っていたら、ものすごく過密で、飛行機は離着陸を繰り返しておりました。飛行機はパイロットが人の命を預かる重要な仕事ですが、それは一部分で、それ以外に多くの方がいて、飛行機は飛ぶことができることを目の当たりにしました。

 コスモ夢舞台も同じであります。大きくなればなるほど、いろんな方がいないと動けなくなります。それにしても、コスモ夢舞台に国から賞を頂けたらどんなに嬉しいものかと期待しています。夢があり、希望をもつことは、人間が生きる上で大切なことだと思います。もし受賞したら、その報告に岡崎、名古屋に参ります。私は希望をもっています。人の絆によってできたものであり、その喜びを名古屋の方にも分かち合いたいと思います。

 みなさんご存知でしょうか、新幹線より飛行機の方が安い料金があるのです。とくに65歳以上は、国内ならどこに行こうが片道13000円代で行ける切符があります。国内なら離陸から、あっという間の着陸で、とても楽です。しかし、会いたい人がいないと行けません。それは過去の生き方が決めていると思います。そして、年をとっても健康でないと使えません。健康はものすごい財産であります。

 フランスでも体験しましたが、それにしても、ゆっくりした時間を過ごしました。一年に休みが3日しかなかった修行時代に較べると、今は大きな変化を感じます。