2009.02.11
小さな農を今の世の中に

佐藤賢太郎

   アート展の開催によっていろいろなことが繋がってきました。今年は、去年よりもっと素晴らしいアート展を企画しております。

昨年、仲間が帰った後で里山アート展の後片付けをおじさんや家内に手伝ってもらいました。その会場で、もう一つ夢が湧いてきました。一年中、水を張った田圃を作ってみてはどうだろうということです。そしてそのそばに、いつでも水が流れている細い水路を作り、糸トンボの生息できる箇所も作ろうと思いました。 

ふくろう会々員の藤野さんに米作りをしていただいてから田圃にメダカや蛍がよみがえってきました。さらにこれからは、水鳥や昆虫ももっと集まるでしょう。その準備の為に、古代米の田圃をいつも水の張った田圃にする作業が始まりました。昨年暮れ、この作業のあとに新潟ブロックの会員が集まり打ち上げ会をしました。田圃にトキが飛んでくるようにできないだろうか、といった話まで出ました。

さらに今年は、経済的自立のためにも評判の良い味噌をもっと積極的につくっていこうと考えています。ちなみに、2月22日に藤野さんと大塚さん、村のご婦人の方々の協力で取り組むことになりました。また荒廃した田圃を利用して、銀杏やさらに今までの栗の木は伐採して大粒の実がなる栗の木に植え替えようということになった。そしてすでに、クレソンは収穫できるようになりました。

藤野さんによれば、「味噌にしても黒米にしても、気候風土に恵まれた豊実の空気と水から生まれる食品は物語性がある。豊実は過疎だというが宝の山である」ということである。量産はできないまでも、いろいろと試行錯誤しながら価値ある食物を生産し収穫する。そして、ここで大勢の人が働ける環境を作ることができたら素晴らしいことではないか。

世界中がリストラ騒ぎで解雇された人も多く、今後の生き方が模索されている今日であります。即リストラの道を選ばず、分け合いながら、活用する方法を工夫する。まさにそのようなあり方が、あるものを無駄にしないで生かすというコスモ夢舞台の精神であり提案である。  

それに、夢をいだく人たちは人生の主役になれると思う。世の中が悪いと批判し嘆いているだけでは何もならない。小さな実践から今の世の中を生きていくことが大切だと思う。