2007.02.09
作品、融合のつながり  

夢を共有する仲間の一人森紘一さんから人間選書のマーク人魚が私のギリシャでつくった作品融合とそっくりだと驚いてホームページに載せてくれた。私は其れを見て、そっくりでないが確かに人魚であった。私はどこかで見たことがあると記憶をたどった。そしてその作品に小さくサインがあるの気づいた。其れは紛れもなく彫刻家の巨匠、木ノ内克であった。

この彫刻家木ノ内克は私が修行時代によくコピーをして学んだ作家であった。なぜなら師匠に当たる鈴木政夫氏は高村光太郎に精神的に師事し、そして単身東京で彫刻を独学しているとき、木ノ内克に出会い傾倒し、木ノ内氏のところに通い学んだ。その影響で愛知県岡崎で修行中、私も学ぶ事となった。木ノ内氏は長くフランスに住みその間ローマに60日滞在しローマの原点ギリシャ彫刻に出会い勘合し、彼の作品も変った。のちに茨城国体のモニュメント「エーゲ海に捧ぐ」という単純化した作品をつくった。ローマで作った作品群の中に人魚があった。その作品と「エーゲ海に捧ぐ」を足して2で割ったような作品が融合であった。これは私が其れを意識して作ったのでない。偶然にそうなっていた。勿論私のつくる作品は彫刻家木ノ内克に比べるような高いレベルではないが。面白い事に回りまわってギリシャの港に私の作品が置いてあるのは現実である。私は今年の個展作品の一部に人魚を作っている。

  ギリシャの副市長リオシスと話し合ってようやく決まったのが融合であったが、意識もしない伏線としてこんなことがあったのだと縁の不思議さを思った。(佐藤賢太郎)