2016.02.11
里山アート展と移住者を結ぶ
佐藤賢太郎 

首都圏以外、全国どこでも人口減少化は進んでおります。ことに私が住む新潟県阿賀町は、それが顕著な地域であります。

私はアーチストとしてこの地域を、アートを根底とした魅力ある田舎にしていきたいのです。アートと言っても美術造形作品に限定するのではなく、新物産、新商品など地元にあるものを生かし、新しく創造する意味でのクリエーティブです。 

里山アート展を開催して12年になります。第一回目の里山アート展は、この田舎には全く考えられない野外展でありました。地元の方は田圃に変なものを作っていると思っていたでしょう。しかし、そのアート展によって都市からの参加作家を招くことができました。そして、荒れ行く田んぼ周辺の整備を手掛け、景観が保全されるようになりました。そのアート活動がNGOのEU・ジャパンフェスト日本委員会の目に留まり、外国人を紹介していただくようになりました。さらに、代表の私を海外にアーチストとして派遣していただきました。また、それによってコスモ夢舞台の会員に異文化に深い関心を寄せて頂くようになりました。

里山アート展は、芸術文化振興基金の助成によって12年継続をしています。この継続によって景観はもとより、ビオトープつくり、無農薬米つくり、野菜つくりに進んでまいりました。それは誇りのもてる農業であり、また地元の小学生、新潟の大学生、首都圏の教育体験の場にもなっています。

こうした継続の中で若者が関心をもち、アート作品をバックに舞踊したいとコスモ夢舞台と連携し始めました。 

そのなかに、米つくりをしたいという青年がいて、私が地元の農家とのパイプになって、今年から農業をすることになりました。

また、里山アート展に参加している首都圏の仲間がこの豊実に移住しようと決意されました。さらに、コスモ夢舞台の活動をしていく上で、移住者が必要条件になってまいりました。横浜からこの地の空き家を探してほしいと強い願望があり、その仲介をコスモ夢舞台が応援してゆくことになりました。 

それにしても、農業だけの毎日では田舎は退屈という若者が多いと思います。そこで、コスモ夢舞台では一年を通じてイベントを行うことを組み入れています。その一つが里山アート展です。何もアーチストに限らなくても参加できます。そして新しい視点や価値を生み出す楽しさを発見していただくことにしています。それが人生の新たな生き方、豊かな生き方に結びつくものと確信しています。

こうした新たな生き方を求める意欲的な人びとにお集まりいただけるよう、これから先、首都圏にも積極的に伝えてまいります。