2014.10.29
明日への予感
森 紘一

 里山アート展の会場となった五面の田んぼの中は、展示されていた作品が通路側に片付けられ、それぞれに空きスペースが拡げられた。10月25日午後4時過ぎ、地元の津川や会津若松から集まった若手ダンサー(5人)によるパフォーマンスがはじまる。笛や太鼓、多彩な小道具を使った斬新でユニークな唄と踊り、ラップ調の語りは、すべて即興ということだが、田んぼごとに作品と合わせた小テーマを持つ組曲のようで見事な構成だった。 

 会場周辺は、いつの間にか夕闇が立ち込め、白いドーム前の田んぼのコーナーに積み上げられた焚き火が燃え上がるころには、暖を求めて集まる人垣ができた。見物客は少なかったが、彼らの熱演には心がこもっている。過疎といわれる豊実の集落に、根付きつつある「里山アート展」を祝い、さらなる継続を願う彼らの思いは、地元の人々や我われに共通する願いである。

 佐藤さんではないが、「フィナーレのイベントに限定することなく、地元の皆さんや見物客への時間帯を考え、里山アート展のイベントとして続けていただきたい“遊びと創造”のパフォーマンスである」と、わたしも思う。 

 終了後、若手ダンサーグループと接点のある作家・間池紀以子さんと彼らを囲んで、交流懇親会が「和彩館」で開かれた。一仕事終えた充実感か、彼らの表情も口調も明るかった。

 今回のパフォーマンスは、すべて映像に収めてあり、公開できるという。我々のマンパワーでは行き届かない広報活動も、彼らの手を借りれば展望が開けそうである。さらに話は、里山アート展の会場でつくられる無農薬米や有機栽培野菜のインターネット通販について、あるいは間伐材の利用方法、空き家対策についてと、どんどん広がっていった。 

 若い彼らの話には夢があり、活気があった。地元の「わけじょの会」のメンバーや新潟大学Gホームの連中が、この円卓に同席していないのが残念だった。次世代の若者たちが「里山アート展」が縁で仲間意識ができることは、我われコスモ夢舞台にとっても吉兆である。これから組む「コスモ夢舞台2015イベント日程表」は、その点も考慮して皆さんでアイディアを出し合っていきたいと思う。