2013.11.06
里山アート展のフィナーレ
佐藤賢太郎 

11月3日、第10回里山アート展のフィナーレを飾るにふさわしいイベントが行われた。 

昨年も作家の間地紀以子さんが、アートパフォーマーのナガッチョさんを連れて田んぼで踊ってくださった。今まで見たことのない舞踏であった。その時は尺八の姉川さんとのコラボレーションが行われ、初対面なのにコンビなのかと思うくらいマッチして、驚きであった。 

今年も閉会直前になって、里山アート展の出品作家間地紀以子さんは、自分の作品を燃やしながらナガッチョさんに踊ってもらうことになった。さらに、地元の渡部さんがこのイベントに参加できるでしょうかとの問いわせがあった。渡部さんは喜んで参加したいとのことであった。そして渡部さんは、ジャンベの古田さんを誘って参加することになった。

こうして私が企画したわけでないのに、思いもしなかったフィナーレイベントの役者がそろった。

 イベントの前に搬出作業は急がれた。渡部さんと一緒に来られた地元の若者、長澤さんはきびきびした搬出手伝いに心地よかった。開始前に、雨がポツリ、ポツリ。野外で行うイベントは、いつも心配させられる。しかし、有難いことに天が私に味方してくれているようである。そう思いたくなるほど、オープンニングの時と同じように、開催の午後4時には雨が止んでいた。 

その前、午後1時15分ナガッチョさんと佐治さん、高橋さんが組んで田んぼでパフォーマンスを行った。佐治さんは彫刻家であるが、その場面では能の時、声を発声するような役を演じていた。その声も道に入っていて素晴らしかった。それこそ即興である。相手に合わせ、自分が出したいと思うときに大きな声を出す。そして高橋さんはジャンベを同じように叩いている。3人はいつもトリオでやっているように感じてしまう。私は感動しながら、作品つくりと同じだと思った。佐治さんは作品出品も気合を入れたものですが、私とのとの意見交流を通して人間的深まりを感じた次第である。

さて火を焚いて、いよいよパフォーマンスが始まった。安部さんと大野さんが作った作品から渡部さん古田さんが、そしてナガッチョさんが登場する。渡部さんが間地紀以子さんの作品に舞いながら火をつける。古田さんが素晴らしい声を発し、ジャンベで演奏をする。マイクの使い方に私は感動した。渡部さんは柔らかい体で神に捧げるように心地よく踊っていた。

 これを見られなかった会員は残念だったと思う。そして来客が少なく、もったいないとの声が聞こえてきた。来年は計画的にしようと間地紀以子さんの意見もあり、フィナーレはそのようにしようと思う。

これで里山アート展を知らない若い方が参加するきっかけになり、新しい風が吹いてきそうです。このように、いろいろな人が参加し、常に変化しながら進化する里山アート展です。