2014.09.07
今年のアート展
佐藤賢太郎 

今年のアート展のテーマは「アートと生活」。独断でそう決めました。ちなみに、昨年までは「アートで何ができるか」でありました。

今年、ギリシャとフランスで体験したことを、今年の里山アート展に生かそうと思います。
 
ギリシャでは問題点は多くありますが、アートのある生活に豊かさを感じました。一つには、子供や大人、誰でもが私のモニュメントを眺め、語り会う姿からそう感じました。日本人なら、きっとそんなに誰もが眺めないでしょう。それに比べ、ギリシャ人は眺める心のゆとりがあるということを感じました。そして例えば、リオシスさんの奥さんが語る言葉自体が詩になっているのです。

「サトウの作ったゴルゴーナー(人魚の像)は、サトウがいつギリシャに来るかと、あなたを待っている。私はサトウに会いたくなったらゴルゴーナに会いに行く」そう語っていました。

 フランスでも、矛盾すること、課題も多く感じました。しかし、モントロンの出会いでは価値を共有することができました。とりわけ、ゆったりした時間を過ごしたことです。日本人に欠けている点でしょうか。そして、大人と子供が共に遊ぶことで子供の創造性を育てていることを強く感じました。優秀な日本の大学生はこれが少ないために、たくましさや創造力が少ないのではないかと思います。

さて里山アート展は、プロ、素人、小学生、大学生、障害者が参加する野外展です。とりわけ今年は、新潟県、福島県から障害者が作品を出します。今まで、障害者に何か手伝うことをしていなかったのですが、できることから致します。

里山アート展は見るだけでなく、参加することで彼らが元気になるのです。障害のある方は田圃に近づく事も少ないようです。NPOコスモ夢舞台は、車椅子でも参加していただけるようにしました。そこで彼らの活動を紹介し、理解していただきました。

また今年は、末期ガンになった方にも、里山アート展に絵や書を出品していただくことになっています。その生きざまを見ていただきたいと思います。殊に大学生には、自分に何が必要なのかを感じていただきたいのです。

 小学生の里山アート展作品は、参加地上絵を薪で描いていただきます。自然の大切さ、森林の役目、それをエネルギーに活用することを学ぶようにしたいと思います。それは農作物を荒らすサル対策の一助にもなります。そのような関連性をもってつくる里山アート展が「アートと生活」であります。いうまでもなくクオリティーの高いプロの作品も見ていただくことにしています。 

内閣改造が行われ、地方創生大臣も設けられました。その大臣に石破さんが就任、首相が地方に活力を、と重点項目にしています。首相は現場に行きなさいと言っておりましたが、石破大臣が何冊読書しようと、真に現場を理解することは難しいと思います。

里山アート展の声が届くには、私たちが人生を輝かすしかないと思います。皆さまも一緒に、その手助けをしていただけたらと思います。