2010.09.11
里山アート展の作家と語る
佐藤賢太郎

9月10日、吉田冨久一さんと長谷川さんは、朝から川に作品を浮かべる準備をしていた。午後になり作家間地紀以子さんと佐治さんが会場の下見に来られた。間地紀以子さんは、今年の進行状況を見てすごいねという。大学生の手伝いや地元小学生児童、青年団の参加をきいて、佐治さんは「ようやくここまで来たね」という。

その後、間地紀以子さんの作品をどうするか現地視察に行った。そこで石舞台を見て「すごいね、あれは作品だよ」と感服してくれた。吉田さんたちと同じ言葉である。

   また、石夢工房に設置した(昨年の間地紀以子さんの作品を利用した)作品を見て楽しいねと喜んでくれた。私は「里山アート展のために、自分の個展作品を作る時間もなく、ずっとそのことで動きっぱなしです」と言った。すると佐治さんは「佐藤さんの生き方そのものがアートじゃないですか」と言ってくれた。経済的な収入は何もないが、吉田さんもそういってくれている。

吉田さんたちの川に浮かべる作品には舟が必要であった。そこに地元で私と親しくしている古山さんたちが近づいてきて「何やっているの?」ということになったのだろう。吉田冨久一さんが里山アート展に参加している者ですと言うと、分かっているといわんばかりの笑顔で、とんとん拍子に話が進み、仕事を終えてから古山さんは舟を出して取り付けに協力してくださったそうです。

   夜になり、その話が出て吉田さんは「すごいね、一言で信頼関係を感じてしまいました。日ごろの付き合いがそうしてくれる。だからやっぱり、里山アート展は社会芸術と言えるのです」と言っていた。

今回大学生が参加してくれるのだが、大学でも授業の単位として地域とのかかわりを取り入れているようです。その大学生に里山アート展の意義を話して取り掛かっていただこうと思う。「単なる参加、手伝いではなく、これからの社会を考えるテーマ活動として考えてもらいたいし、そんな若者を育てたい」と話をすると、吉田冨久一さんは大いに洗脳してくださいと笑いながら絶賛してくれた。

それにしても、奥さんがこうして理解し協力してくれることは理想的だが、なかなか出来ないことですと話してくれた。疲れて眠いところを作家との話しに参加したのは今回が初めてだろうか。吉田さんは「食をつくりながら、バランスよく作家との会話も楽しむ、これも立派なアート活動ですよ」と言っていた。