2013.10.19
たいむIL訪問
佐藤賢太郎 

会員の中に、障害者施設にお勤めの大島和子さんがいます。かなり以前に私の作品と出会い、それ以来ファンになっていただきました。そしてコスモ夢舞台会員になられた方です。

3年前、私は施設の方を里山アート展と食事に招待致しました。それが縁で里山アート展に作品を出すこととなり、昨年は「今、私たちは立ちあがる」という作品を田んぼに立てました。当然仲間たちは見学に来られました。

車いすで田んぼのあぜ道を移動しましたが限度があり、自由に動けませんでした。そこで今年は、NPOファンドから助成金をいただいて駐車場と畦道の延長つくりを熱心に進めました。何が何でも車いすで周遊できる道を作りたかった。それが完成したのです。

10月18日、施設の車5台が駐車して、車いすの方々が畦道をのびのびと移動していました。その光景に触れ、私は嬉しくなりました。こうして現代の桃源郷が、ここに実現できていると思ったからです。健常者に生まれて、彼らに何もしないままで今日まで来てしまいました。それがこうして仲間と作ったこの里山アート展会場に彼らをお招きできることは、彼らにできる一つの貢献であると思います。

たいむILの方は郡山市に住んでいて、遠出はめったにできないそうです。だから豊実は、一番遠い移動距離とのことです。家内の作る食事がとてもおいしいと皆さん喜んでくださいます。食べること、散策すること、作品鑑賞、制作、それをこの舞台でできるのです。 

コスモ夢舞台の会員の皆さんは、気付かないところでこうして社会貢献をしているのです。

繰り返しますが、私は障害者のために貢献してきませんでした。せめてこの機会に、喜んでいただくことをしたいと次なる創造をしています。来年から、さらに大きな作品を連続して残すようにと考えています。

最後にたいむILのメンバーで作品に参加している中で「まきこ」さんという方がいます。彼女に私は「昨年もいい字を書いていますね」と評価しました。そのことが嬉しかったのか今年私に「緑」という字を額に入れてプレゼントしてくれました。それを私は和彩館に人の思いと繋がりのシンボルとして飾っています。ここに参加する大学生にも、懸命に生きる彼らの姿を見て感じていただきたいと思います。