2009.10.16
里山アート展制作風景1
佐藤賢太郎

毎年常連の大切な作家もいるが、その年によって、里山アート展初参加の作家もいる。その参加によって、里山アート展は毎年変化している。今年は作家の人数は昨年の半分近い。しかし内容は充実していると思う。

制作に一番乗りして滞在したのは、壁面画の丹野由美子さん、長谷川千賀子さん、牟田口努さんであった。昨年の絵を如何しても描き換えたいという強い意思があった。牟田口さんを中心に抽象的絵画を描くことになったようである。制作のとき、田んぼは稲穂が黄金色であった。昨年に比べ晴天の下で描けたことは最高であった。

「稲穂の香りを肌で感じながら絵をかけるなんて幸せ」と丹野さんは話してくれた。長谷川さんは、イナゴか虫が飛んできて壁にくっついてしまった、と言っていた。牟田口さんはこんな大きな絵を描いたことがない、と笑顔で話していた。

「シルバーウイーク前の黄金の日」と言う題名であった。「黄金の日」、いい題名です。稲が刈られていないので下の画面が見られないため、坂道にのぼり壁面の下が見られる位置に移動して画面を見ていた。

 それぞれ三人の顔には笑顔があった。今年の絵によって、来年の新たな構想が私には浮かんできた。また驚くような進化があるだろう。アートによって地域が注目されるだろう。それは決して規模の大小で価値を決めるのではない、身の丈に合わせて精一杯坂道を進む里山アート展である。野外彫刻展ではあるが、絵を描く作家に大きな期待をしている。ありがとう、3人の作家たち。