2010.06.05
今、教師のご苦労
佐藤賢太郎

我が家では中、高校生の体験学習の受け入れをしている。先日、高校生の体験学習で閉会式を執り行おうとしたところ、生徒がなかなか言うことを聞かなかったことがあったそうです。

この日も農家民宿の方が生徒を見送り、閉校式に参加していました。生徒の服装がだらしなく、(今時よく見られる腰までズボンを下げパンツが見えるスタイル)先生が服装を正そうと大声で注意したのですが、ある女子生徒は最後まで抵抗して、「いいじゃん」とふてくされた態度をとったそうです。私はその場にはいなかったのでストレスは起こりませんでしたが、そこに居合わせたらどんな気持ちだったろうか。きっと腹を立て我慢できず怒ってしまったでしょう。

もちろんそのような態度をするのは、生徒個人の資質というより、その子が30代、40代の親に育てられた家庭環境がそうさせているのでしょう。さらに30代40代の親は高度成長を走った私たちの年代なのです。そして戦後生まれの私たちは大きな教育転換期にありました。この国の理念をどうするかという根本理念が問われているのだと思います。山にすべて杉の木を植えてしまうようなことではいけないように。

今時の学校の生徒たちと接して、家庭と言うものがいかに子供たちに大きな影響を与えているかを肌で感じます。生徒に罪はない、だからと言ってしょうがないと見過ごしては教育になりません。教師が体罰どころか、叱ることすら難しい現実もあると思います。

全部の学校が同じではなく、同じ学校でも個人によっては違うでしょう。先生の言うことを聞かない、なぜこのような風潮になったのだろうか、私たちは見直しし、考えなければならない。生徒の機嫌をとればいいというものではありません。ややもすると妥協してしまうこともあるでしょう。学校の教師が悪い、社会が悪い、政治家が悪いなどと並べたてる評論家のようなことだけは私はしたくありません。そういう評論家に、あなたは何をしているのですかと言いたい。   

だからこそ学校や家庭では体験できないことを、農家民宿体験教育を通して、人としてとるべき態度を教える役目があると思います。

ともかく、今の時代の教師は大変ご苦労されていることを実感しました。