2013.07.01
今年の体験学習
佐藤賢太郎 

今年は、今までにない楽しい体験学習が多いと思う。今までは、どちらかというとまじめを信条とする硬派的指導であったと思う。

汗を流すこと、挨拶をしっかりすること、きびきび動くことなどなど。今年も挨拶をしっかりすることは同じであるが、ハードな作業はほどほどに、力を抜いている。男子なら相撲を取ったりしたが、もうそれはやめている。

生徒に怪我のないことを、第一に心掛けている。そのためには仕事場まで歩かせる。昨年で骨身にしみて反省したから、決して生徒は車に乗せない。 

今年は例年になく、女子生徒の受け入れが多くなった。内心では薪割りなど力仕事ができなくて、戦力にならないと思っていた。ところが女子生徒も楽しいものです。真剣に話を聞いてくれる、そんな様子がとてもかわいい。要はこちらの気持ちのもちようですね。

そして演劇部所属の生徒に、寸劇や歌を歌わせることにしたら、これがとても素晴らしいことになった。自分たちも楽しんでいる。「えーっ」と言いながらも彼らはやるのです。以来、男子、女子に関わらず、我が家では夕ご飯の後、実施している。90歳になった母も大喜びである。

演劇も歌も苦手と言う生徒たちは何をしたかというと、トランプ遊びをしたのです。トランプによるマジック、ババ抜き遊びに母も参加したのである。民家の私たちと生徒が、トランプ遊びを一緒にしたのは初めてです。更に何できないので彼らはお礼の手紙と言って渡してくれました。一生懸命書いてくれたようです。

ある生徒はこんなことを書いていました。「いろんなことを学びました。特に玄米の素晴らしさを学び、お母さんの料理がおいしかった。そして佐藤さんは厳しくて優しく、僕たちに薪割や、畑仕事を教えてくれました。」などなど、この生徒たちは食欲がなく、物足りなさを感じていましたが、みんな素晴らしさが隠されていました。こうして生徒たちと快い別れとなりました。

今までになかった今年の体験学習である。この後、どんな生徒が来るのか、良くも悪くも、こちら側の受け入れる力がためされるのだと思います。