2014.06.26
お母さん
大塚秀夫 

お母さんは「お父さんとお母さんがギリシャから帰ってくるまで元気にしています」と力強く宣言されたのだ。 

気力・精神力が旺盛。明るくて上機嫌なお母さん。田植えの研修で自分が田圃に出る事ができるなら教えてやるのにと残念そうであった。 

体験学習のときお母さんも必ず食事は一緒です。体験学習の最後の晩。夕食が終わってからでした。 

お母さんが突然「会津磐梯山は宝の山よ・・・」と歌い出した。気持ちよさそうにお元気なこと。さらに「草津よいとこ一度はおいで・・・」と歌われたのだ。体験学習最後のフィナーレにふさわしく。 

お母さんが歌い終わって、中学生もお返しに歌わなきゃと促すと6人の生徒は早速お母さんに感応して、「春」「ふるさと」「校歌」を歌ってくれました。澄み切った美しい声で信じられない光景でした。 

佐藤さんと畑で草取りをしていると携帯電話がなった。ギリシャの泊まるところがまだ決定してなく頻繁に電話がなる。 

あるとき、佐藤さんが「いま、畑にいます」と答えられた。そのフレーズを聞いたとき、すぐ宮沢賢治のことを思い出した。

「下の畑にいます」これは宮沢賢治が羅須地人協会の黒板に残した言葉である。

また農民芸術概論にはおれたちはみな農民である ずいぶん忙しく仕事もつらい。もっと明るく生き生きと生活をする道を見付けたい。正しく強く生きるとは銀河系を自らの中に意識して(中略)われらは世界のまことの幸福を尋ねよう 求道すでに道である。 

佐藤さんを見ていると自然の中で暮らす生活が昇華して文化にまで高められ芸術と一つになっていることを感じます。 

以前であれば、彫刻をつくる時間のために畑の仕事はやりたくなかった。しかし、今はこれも大切とであると言い切られた。その言葉を聞いたとき、私は芸術が上で、生活が下にあるのでなく同等である強く感じて、からだが熱くなった。 

お母さんは会津磐梯山の替え歌を歌われる。「佐藤賢太郎は宝の山よ・・・」 

お母さん、お母さんも生活に根差したアーティストですよ。