2014.06.15
自然体験の効力
佐藤賢太郎

 体験学習の受け入れをはじめて、8年ぐらいになるでしょうか。生徒の感性、集中力の差は学校によって千差万別だと感じます。そこから明らかに見えてくることがあります。そんなとき、千葉敬愛短期大学学長、明石要一さんの調査を読んで、体験的に感じたことを述べます。

 人間は経験を積むことによって大人になり、やがてそれが、個人の人格となって現れる。しかしそれは、幼少からの積み上げのトータルなものだろう。そして、その人の人生が決まってゆく。それは先祖、親の遺伝子の違い、兄弟によっても性格の大きな差はあるが、一般的には環境によってそうなると思う。

 8年間の経験から首都圏の生徒を見ると、人の話を聞けない、自然を見ても何も感じない、集中力がない、学習意欲がない、けじめがつけられない、コミニケーション能力がない、感性がないといった生徒もいた。それと反対に、自然を見て感動する、けじめがある、人の話を聞ける、学習意欲がある、コミニケーション能力がある、感性が豊かな生徒も多い。この差は一体どこから来るのであろうか。

 明石さんはこのように分析しています。海や山、川などで遊び、太陽が沈むところを見たり、星空を見たり、湧水を飲んだというような自然体験が多い生徒は、もっと深く学びたい、経験したことのないことに何でもチャレンジしてみたいという意欲、関心度が高いと言っています。自然の中で、さまざまな経験や刺激が子供たちの生活力、すなわち応用力を引き出すだけでなく、友達とのコミニケーション能力、ものごとへの興味、関心、意欲、前向きな挑戦意欲を育むという。その体験が学力の差に出ているとも言います。

 そのためにも一泊二日ではなく、二泊三日以上の体験をさせてあげたいと言及しています