2009.10.4
「身体感覚を取り戻す」大切さ
佐藤賢太郎

コスモ夢舞台は身体感覚を取り戻す空間でもあると思う。和彩館にやってくる「体験学習」の中・高校生たちもまさにその体験をする。会員の仲間も、そして会員以外の方も何人かその体験をしている。それは、現代人に大切なものだと思う。

マキ割り体験にしても、マキを持って運ぶことによって重力も感じ、大地にしっかりと足を着けマサカリを振り下ろす。そのときの反動や割れる快感を味わう。ところが今の人たちは、足の指がほとんど機能せず、一本一本開けないという人や、裸足で地面に立っても大地につながっているという感覚を得にくいらしい。        

『“閑さや岩にしみ入る蝉の声”と芭蕉は詠んだが、それは身体感覚である。行き詰まったときや悩み苦しんでいるときに汗をかくと、「まあいいか」と思えるようになるのは、身体を動かすことによって、身体感覚を取り戻しているからなのだ』と斉藤孝氏は言っている。

 私は15年ほどまえ郷里に帰ったとき、舗装した道路を裸足で歩きたくなった。それは自然と一体になり、大地につながることを期待したからであったことを、今思い出した。

さらに氏は、「インターネットが発達してバーチャルが現実と混同されやすい状況になっている。脳は確かに大事だが、今必要なのは脳に直接刺激を与えるのではなく、身体を通して結果的に能が働くようにすることではないだろうか」とも指摘している。私はまったく同感である。

 この度、会員の一人が、以前の仕事関係の方で都会に住む現役会社員をコスモ夢舞台に案内してくださることになった。会社の社長さんが、「是非コスモ夢舞台で研修させてみたい」ということでの運びであった。
   私自身もここで、毎日身体感覚で生活しながら物事の決断や行動をしている。今回昔田んぼ仕事に使ったぞうりやワラジをはいて田んぼにたってみようと思い立った。都会で暮らす方にもそのような体験を少しでもしていただけたらと願っています。