2009830
コスモ夢舞台滞在記9体験学習6
鈴木隆雄

 8月27日~30日、東京から阿賀町豊実に来ていただいた4名の男子中学生の体験学習を受け入れた。私にとって今シーズン最後のお世話を無事終えることが出来た。これまで関わることの出来たどの生徒も、未来のある素晴らしい生徒たちであった。

佐藤家では、生徒たちに終始一貫して伝えたことは、元気よく挨拶することと返事をすること。感謝して食事をいただくこと、そして額に汗して労働に取り組むことの大切さであった。

今回、林間学校で4日間の体験学習にきていただいた男子中学生は、皆さんおとなしく素直な生徒たちであった。成長過程のまだ十分に体力が備わっていない生徒たちではあったが、薪運びや薪割りに草刈と果敢に取り組んだ。風呂掃除、風呂焚き、部屋の掃除では雑巾がけ、配膳の手伝いなど普段はほとんど経験したことのないような体験をしていただいた。朝食前の労作も取り入れた。
   
   食欲は旺盛とは言いがたかったが、出されたものはきちんと残さず食べていた。佐藤家では、食膳感謝の言葉を皆で唱和してから食事をいただくことにしている。「天地一切の恵みと これを作られた人々のご苦労を感謝して いだだきます」である。山村の阿賀町豊実にある里山で作った米や野菜、山にわけいりフキ、ワラビ、ミズナなど旬の山菜などを採ってきて、手間ひまかけて調理した此処でしか味わうことのできない食べ物をいただくとき、食膳感謝の言葉が実感として伝わってくるのである。

2日目の夜、生徒の一人が星空の観察をしたいと言って夜空を見上げたがあいにく曇っていて見えなかった。それならプチキャンプファイヤーでもやろうかと作業場のある場所に行き、かがり火を焚き燃え盛る火を囲み一時のやすらいだ時間を過ごした。懐中電灯で足元を照らしながら暗い山道を下り、帰る道すがら雲間からひときわ光輝いた星が見え隠れしていた。

3日目、滔とうと流れる阿賀野川を見渡せる東屋(滔滔亭)でのバーベキューや、作業の合間に沢に下りての川遊びなども楽しんだ。

短い日程ではあったが、体験学習に参加していただいた生徒の皆さんに感じ取っていただきたい事は、里山の自然に生かされ、自然と共生するべく知恵を出し合い、そこにある恵みをいただき、自然と対峙し最大限工夫をこらした生活。額に汗して労働することによって肉体が活性化され、生きる力を実感してほしい。このような願いを込めて体験学習のお世話をさせていただきました。