2009.08.31
進展するコスモ夢舞台1
佐藤賢太郎

関東で出会った友人たちがこの豊実に12年通って、お金をかけずに東屋、美術館、食事所、風呂と、手作りで一緒にさまざまな建物をリフォームしてきました。作業は決して気楽なものではなく、来年までに作らないといつできるか解からないから、と先を急ぐ作業だった。  

現職で豊実に通うのはなかなか厳しいものがあるのに、そんなことができる人がいることを、信じ難いと多くの人に言われる。私はそうした友がいることを誇りに思っている。

こうした建物群を生かしていこうと、コスモ夢舞台グランドデザインを打ち出した。当初から今日まで「感動ある人間交流、一人一人が輝く、本物を目指す」を骨子として、手探りながらコンサートやアート展、シンポジウムなど、いろいろなイベントに取り組んできました。

しかしそれは、地域との連携をどうするかが課題でもあった。こうして里山アート展も6回目を迎えた現在、周囲から変化もうかがえるようになってきた。足が地に付かなければそれは本物ではなく、安易な自己満足で終ってしまうということであります。
   私たちコスモ夢舞台のメンバーは、この阿賀町の方々とそれ以外の地域の方々です。そういう方々も地域に生きる存在であることを願っています。また、これはこの地域だけの問題ではなく、全国にも通用する取り組みであると私は自負しています。

私自身、歩きながら走りながら、ともかく実践して今そのあり方が定まってきました。この地は観光地でもない、温泉地でもない、伝統郷土芸能もない、華厳の滝のような景勝地もありません。    
   この地にあって都市と田舎との交流を念頭に、感動ある人間交流をめざす具体的な実践として

1.里山アート展の開催                   

2.田んぼ夢舞台まつりの開催               

3.食、ビオトープつくり                  

4.体験教育の空間          

の4点に集約しました。この一つ一つについてなぜ開催するのかを後に述べることにします。

先日、地元の「地域活性化をどうするか」というテーマの講演会を聞く機会があった。専門家の方が講演されました。数値をあげて減少する観光客数を述べ、「なぜなのか、どうすべきか」とまとめられました。残念ながら、私にはそれほど印象に残る講演ではありませんでした。

私たちが考え実践しているコスモ夢舞台は、観光客の増加を第一にしているのではなく、この過疎地に立脚した魅力ある空間をつくりたいのです。むしろ地味ではありますが、個性的な新しい創造であると思います。

それで果たして観光客がどっと増加するかどうかは分かりませんが、決して自己満足ではなく、もっと違う観点から考えていく必要があるのでないかと思うのです。