2006.12.29
冬到来の雷鳴

昨年の早い大雪に比べ、今年、雪が遅いことに地元の人々は口々に儲けものと微笑んでいた。雪国に住んでみないとそのありがたさは解らない。雪国に住み始めた私は12月一杯雪が降らないでほしいと願っていた。

昨日は雨であった。道路に表示されていた7度の気温を見て、明日も雪が降らないだろうと高をくくっていた。ところが朝起きてみると20センチ、屋敷の周りは一面銀世界。水鏡の小径のそびえる荒山は美しい雪化粧。雪は決まって静かに降る。

慌てて朝から雪片付け雪対策に追われた。どうしたことか朝から夜まで雷鳴がとどろく。雪と、あられ、天候は厳しい冬の姿に一変してしまった。雷鳴は冬到来、ベートベンの運命序奏曲のようだ。灰色の空、いやその灰色さえ見えないほど白い吹雪が舞う。昼でも感じるほどの白い稲光はめったに見られない。

この序奏曲は何の前触れであろうか、ギリシャに行く運びになったように、来年何が起こるのだろうか。
それにしても関東はその日青空であったという、ここにいると、とても信じられない。羨ましい。住人はその青空の下から移ってここにいる。(佐藤賢太郎)