2007.01.07
本を読む

関東の青空から雪国に住んでみると冬は、まさに閉ざされた世界にいるような気持ちになるのもわかる。
そんな風景の中で、本を読むということは社会とのつながり、友人とのつながり、新しいものを生み出す夢の窓口になっている。

そもそも生きている間、一人の人間には限られた人間付き合いしか出来ないものだ。それを本によって遠い世界に行ってみたり或いは普通は物理的にも直接会えない人の話しを聞いたりできる。
それは、自分の考えをまとめたり、新しい考えや夢や希望も抱かせる力もある。豊かに生きる手段の一つでもある。

昨年の冬は縄文の本を読んだが、今年は食や農、地域活性化、教育などを考え、さまざま読みたい。
そういうことを考え私は彫刻をするのだろう。夏は動く事ばかりに追われてなかなか本もゆっくり読めない、その点冬は厳しいがジュットと詰められた世界に入って、本を読む事の出来る充填期間でもある。
そのような読書もなしに、自分の経験ばかりにとらわれてものを言うのも視野が狭いと思うが、体験は大切なことであると思う。できれば両方持ち備えるといいのだろう。

それにしてもどうして縄文人は本など読んでいなかったのに人間として豊かな生き方をしていたのだろうか。それに比べ情報は多い現代人は確かなものに出会う機会がなぜ少ないのだろうか。(佐藤賢太郎)