2009.1.24
コスモ夢舞台とグリーン・ニューディール
森紘一

 アメリカの新大統領就任式には200万人が集まったという。オバマ氏への期待の大きさは、それだけアメリカという大国が抱える事態の深刻さも表しているようだ。     

新政権が打ち出したグリーン・ニューディール(緑の内需)に便乗する動きは日本でも起きているそうだが、これで景気回復や環境対策が一気に加速するとはおもえない。たんなる公共投資では、相変わらず肝心の中身は快方にむかわない。いずれにしても、中、長期にわたるきめ細かい施策が望まれるところである。

ところで、今年の「コスモ夢舞台2009・イベント日程一覧表」を見ると、その充実ぶりに気がつく。里山アート展を中心にその前後に、地元地域社会と都市との交流を目的とした企画とシンポジウムが設定されている。

4月から始まる前半の「田んぼ再発見」では、田んぼの整備や復元、米つくり体験やふるさと原風景つくり、そのほか「和彩館」5周年記念の歌声音楽祭、味噌つくりなどが予定されている。地域再生や環境問題への素朴な取り組みである。

   里山アート展会期中の後半に予定されているシンポジウムは、一回目がゲストに古木修治さんと遠藤由美子さんを迎えて、「豊かさとは何か。自分たちはなぜ活動しているのか」をテーマに「地域活性を考える」パネルディスカッション。二回目に、農を考える人と農業従事者をかこんで「山間地での農業のあり方と後継者の育成などを考える」シンポジウムが予定されている。これからの生き方や「農と食」を考え続けることは、今を生きる我われの次世代への責務である。

コスモ夢舞台のグリーン・ニューディール(緑の内需)が、一歩一歩着実に進んでいることを仲間の一人として素直に喜びたい。
   賢太郎さんもいうように、「夢はすぐには叶わないが、抱き続けること、それを支える仲間がいること、そして地域との和が大事である」は、まさに至言であるとおもう。

今年はまた、EU・ジャパンフェスト日本委員会が主催する「日本に向けられたヨーロッパ人の眼・ジャパントゥデイ」の対象に新潟県が選ばれ、我われコスモ夢舞台もささやかながらお手伝いをすることになりそうだという。地域社会に生まれた協調と連帯の小さな輪が、グローバルに広がる兆しがみえてきた。(終)