2018.12.26
ガン体験
佐藤賢太郎

 
佐藤さんに質問です。

自助退縮するために一番大事なことは何かという話題に、座談会のなかで、次のようなことをおっしゃっています。

自分を変えていく作業をうまくやっていかないとオーバーワークになる。楽しみながら変えていく

1 常に前向きにチャレンジしていく佐藤さんですから、この言葉が出て来たのだとおもいます。具体的にはどういうふうに変えていかれましたか。

 チャレンジすることはリスクもあるけれど、しかしそこに夢がある、その夢は私に豊かな人生を与える。ピンチはチャンスの時でもある。ギリシャに制作に行った時も多くのピンチに遭遇した。自分を変える時である。変えるしかない。結果は幸福が待っているという思いがある。

2 「楽しみながら」…自分を変えることは辛いことと思っている方は多いと思いますが、どうしたら、楽しみながら、できるのでしょうか。

 今、借家の掃除をしている、これで5軒目である。いつもながらこれは汚くて大変なことである。しかしそこに宝物が多くある。学びのチャンスがやって来ている。創造するチャンスがやって来ている。辛いというより、やっているうちにだんだんと楽しみを発見する。

3 その他、座談会では時間がなくてご紹介いただけなかったこと、付け加えることなどありましたら、お願いします。

 人はさまざまに勉強している。結果として自分の人生を築いていると思う。私は自分に合うから実践倫理の勉強をしている。自然の法則に生き、自分を戒め、豊かにする勉強であると思う。家内から何時も自分のことも出来ないのに偉そうに人に言ってはいけないと叱られている。

 ◎ 座談会でお話しいただいた佐藤さんの貴重なご体験。その治すキーワードは、

「目標を持つ」「そこまでやるかというぐらい徹底する」「自分を変える勇気と行動力」「治ると信じる、自己信頼」「持続させる力」などかと。

 1 治ったことが確定する前に、講演会開催を決められました。絶対治る確信がおありだったのですか。あるいは、講演会を決めたことによって、逆に治る確信へとお気持ちが変化したのでしょうか。プレッシャーを感じることはなかったでしょうか。

 治ったと認定される前に浦和のパルコで講演会を決定した。絶対的に自信があったのではありません。ただ私は治るタイプであると思った。思うだけであった。パルコの会場は1年前に抽選で決められる。駅前であり、非常に倍率が厳しいもので、前年に日程を決定しなければならない理由もあった。友人の情熱で確保できた。プレッシャーはなかった、むしろこれにより治る道に進むだろうと思った。

 2 ギリシャに行くと決められたときは、その目標に向かってさまざまな努力をされました。佐藤さんにとって、目標を持つというのはどんな意味がありますか。

 ガン患者にとって不利なところに行くことは避けるでしょう。そのためには一段と努力した。帰国したら前よりよくなる決意をした。一方で私は、ギリシャのアマリアーダ地区の名誉市民にするというので面白いからやってみることにした。その2点が目標であった。

 3 やると決めたら徹底するというのは、佐藤さんにとって当たり前のことのように思います。徹底できない人が多いのに、どうしてそれが可能なのでしょうか。

 徹底することで、楽しみと幸運が待っている。長い人生でそう実感した。努力しないところに幸運はやってこないというのが我が人生訓でもある。

 4 自分を変えることは、たいへんで勇気が必要だと思います。先ほどの楽しみながら自分を変えるとうことと関わってくるのかもしれませんが、佐藤さんは、どう乗り越えられましたか。

 したいことを我が儘であってもする。教師から彫刻家に転職することで両親を大変嘆かせた。その決断は勇気というより我が儘であったかもしれません。それは理屈ではありません。公募展で受賞もせずウダツの上がらない彫刻家であった。両親の苦労を思うと、泣き言は言えない。家内の支え、実践倫理の学びの支え。友人の支え。それで乗り越えられたと思います。

 5 「三カ月点検」とおっしゃっていましたが、検査結果を聞きに行って一喜一憂するのではなく、逆に治る確信を得るためだったのではないでしょうか。それだけ、自分を、自分の治る力を信じていらっしゃったのかと思います。佐藤さんにとって、自分を信じるというのは、当然のことなのでしょうか。自分を信じられない〈これからさん〉に、アドバイスをお願いします。

 検査結果を聞きに行って一喜一憂するのではなく、逆に治る確信を得るためだっただけではありません。私は手術をしない意思を医師に言うと、 医師から「せめて検診をしてください」と電話がありました。そして妥協もあり、良くなっている点検をする為であった。

6 その他、ご自身のご体験で付け加えることがありましたら、お願いします。

 在りません。