2018.07.31
豊実の熱風
森紘一

  台風12号のフェーン現象で、阿賀町豊実地区も異常な蒸し暑さに襲われた。

    7月28日(土)13時から開催された「奥阿賀・魅力ある野外舞台」の会場は、急きょ和彩館に変更されていた。

  50名を超えるお客様は、ベテラン女性ボーカリストの哀愁を込めた歌声に汗を拭きふき、ジャズの生演奏に酔いしれていました。

  ウーファーの外国人、体験合宿の中学生と研修生、この7月に和歌山県の映画祭で入選したという映画監督のたまごの現役女子大生、阿賀町観光協会関係者や旅行会社職員、それに地元の人びと数名と駆けつけたコスモ夢舞台の会員など、客層もさまざまな真夏の1時間半でした。 

フィナーレは和彩館の駐車場で行われました。浴衣姿の愛好会の人びとに一般客も加わった‘佐渡おけさ’も、初めてとは思えない楽しい輪になっていました。

 余談ながら、3世代の母娘がクルマで会場をたずねあぐねて、「会場はどこでしょう?」と14時半過ぎに和彩館に立ち寄った。いかにも残念そうな表情に、佐藤さんが丁寧に応じている姿が印象的だった。束の間の逗留だったが、「また、こちらにお邪魔させていただきます」と笑顔を残して立ち去られた。 

 それにしても過疎といわれる集落に、よくもこれだけユニークな人々が集まったものです。

活力ある地域つくりと感動ある出会いを演出するNPO法人コスモ夢舞台の本番、「里山アート展」はいよいよ9月末から開催される。今年は15回目とあって、演出を手掛ける佐藤さんもいろいろとサプライズを用意されている。

 実りの秋へむけて、豊実の熱風はますます止む気配がない。次世代への継承を願う我々にとって、何か新しい芽が育っていきそうな気配も、同時に感じている。