2021.7.26
縄文道通信第70号
「奥阿賀の縄文アーツー21世紀のアーツを拓く」

 コスモ夢舞台理事長、佐藤賢太郎氏との対談と講演会の要旨

  一般社団法人縄文道研究所
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新潟県奥阿賀の新縄文人 コスモ夢舞台の理事長
   佐藤 賢太郎氏との衝撃的出会い

7月24日、25日と二日間、題記の秘境、奥阿賀を初めて訪問した。日本の考古学会の最高権威の小林 達雄先生のご紹介で実現した。
縄文の精神で、過去16年間奥阿賀縄文アーツを通じて村興しを推進する彫刻家でもある佐藤賢太郎氏との対談、そして県会議員、町長やメデイアの方々を招いての筆者の講演要旨は別添の通りである。
先ず、阿賀町は大阪府の半分近い面積の86%が森林で、阿賀野川が流れ、雄大で神秘的だ。素晴らしく自然に恵まれた空間でもある。佐藤賢太郎理事長の多くの作品が展示されているミュージアムの高台で圧倒的な自然の景色が広がる場所に、講演と対談の野外舞台が用意されていた。ここは小林達雄先生が縄文ストーンサークルを造る最適な場所といわれた空間でもあった。勿論当地には既に屋敷島を始め縄文遺跡が発掘され、眼前には雄大な山々と阿賀野川が流れ、縄文人の息吹を感じることが出来る最高の舞台でもあった。
奥阿賀は完全な高齢化による過疎地で、無人駅の豊実の駅の前に、すべて古い民家を改装した民宿、レストラン、江戸時代からの蔵など、来客を迎える大きな施設があり、素朴で人間の汗と涙の結晶を感じる現代の縄文空間でもあった。
今までにこの地を訪問し宿泊した世界数十か国からの外国人が120人くらい数えられ、壁面には彼らの写真が飾られていた。
言わば奥阿賀は、世界へ縄文的文化と生活の体験を通じて発信してきた場所でもある。
2日間―すべて現地で採集された新鮮な野菜と玄米、そしてソバと、みそ汁などの食事は奥様を中心に用意された。夕食には地場の日本酒が提供され、佐藤賢太郎氏に心酔する仲間たちとの縄文文化を肴にした議論が
和気藹々と深夜まで続いた。滞在期間中は彫刻家の工房(多くの巨大な大理石を処理する工具が揃う)見学、ミュージアムの作品鑑賞、野外のオープンミュージアムの体感、 蛍の観察や、手造りで造った廃材を使って沸かした自然風景を眺められるお風呂も堪能させて貰った。
この貴重な2日間の体験で、縄文道の立場で感じ考えた事は 以下の点である
1・ 奥阿賀の大自然の中での森林浴、空気、水、土に触れて
  古い古民家を活かして自然の中で生活する。
   ・都会の喧騒を忘れ、ストレスのある生活からの解放。
   ・農薬を使わず自給自足の自然の恵みを食する。
   ・共同作業で手造りで、あらゆる設備、建物を修復する。
   ・絵画、彫刻、陶芸、書道 等アーツを表現する空間
   ・都会人、サラリーマン、若い人に魅力を感じる場の創出
2・奥阿賀を通じてのコペルニクス的発想の転換の空間創出
  ・講演と対話を通じて以下3点を理由に、高度経済成長時代の(農家から
   都会)への人材フローを(都会から農家)へのフローに変える。 
   ―コペルニックス的転換
    1・コロナの影響で仕事の仕方と生き方が大変化している。
    ――仕事はどこでも可能、生きがいは自然との共生―
    2.縄文遺跡17か所(北海道、東北)の世界遺産登録で、縄文文化と
      縄文的生き方の見直しが起こる。
    3.AI ,ロボット、デジタル化でアナログ生活の見直し
3.都会の若者、女性、外国人を積極的に奥阿賀へ移住させ 縄文の価値を広める
 佐藤 賢太郎氏の実践活動を継承させる。