2015.01.29
心の豊かさ
佐藤賢太郎

 会員の一人から「心の豊かさについて、あなたはどう思いますか?」という問いかけがありました。そこで思うところを書きます。

その前に、足元の身近な家庭の愛和があってこそ、この種のことは語ることができるのだろうと思います。そして、一回で語りきれるものではなく、あくまでも一断片にすぎません。

 私は、まだまだ家庭愛和の途上にあり、語る資格があるとは言えませんが、あえて答えるなら、第一に人間関係が良いということではないでしょうか。人間は人間関係で感動し、喜び、また悲しみ憎しみ合うものです。宮澤賢治の「雨ニモマケズ」に“アラユルコトヲ ジブンヲカンジョウニ入レズニ ヨクミキキシワカリ ソシテワスレズ”とあります。分かっていても、なかなかできないものですが、このようになれたら、人間関係は良くなるでしょう。人間は支え合って生きているのですから、どんな人でも一人では生きられません。言葉や理詰めでは、人間関係はよくなりません、争うだけです。家族と仲間と周囲と仲良くできてこそ心の豊かさです。

 第二には、あるものを活かし、工夫して創造的に生きることです。コスモ夢舞台の活動そのものです。里山アート展も、無農薬米や味噌つくりも、仲間の協力で夢を創ることも、みんなそうです。冬の今は、壁面やその他に「アートのある生活」の充実をめざして独創的な制作活動にトライしています。勿論ギリシャに彫刻を作ったことや本を書いたことも、全てそうです。工夫する発想が大事なのです。ガンになって初めて、人間にとって健康で美味しい食物も知りました、今も家内が日々研鑽工夫しています。食はいくつになっても人間の楽しみですが、私は最高の食事を頂いていると感じています。こうしてまさに、心を豊かに生きています。

 第三は学び、教養を身につけることです。世界が広くなります。しかし、それは知識を詰め込むということではありません。それによって新たな発想や人類が幸せに生きる、生き方を考えるということであると思うのです。人間性に欠けた教養は、むしろ心貧しい生き方になるかもしれません。断片的な教養で他を否定しないこと、それには寛容の精神を身につけることが肝要だと思います。