2012.01.03
年初に学ぶ
佐藤賢太郎 

新年にあたり、皆様それぞれの抱負を新たにされていることと思います。私も多くの抱負や希望があります。1月2日から仕事場に行きました。7月の個展に向け新制作の始動です。2月の講演会や、10周年記念の里山アート展もあります。

私はこうした具体的抱負とは別に、年初めに人の生き方を学んでいます。学んだことを簡潔にまとめました。

震災復興も放射能の除染も進まず、政治も経済も混迷し、海外の風波も激しくなっている今日、2013年の日本は緊迫した歴史の転換点にある。内外ともに、互いに自己主張をして相手を非難しているばかりの現状である。そうしたなかで今、国の指導者が変わり世界中が転換点を迎えている。古い殻を脱ぎ捨てなければならないときにきている。こうした課題を解決するには、利己ではなく利他しかないと結論を結んでいます。

 利己とは、言うまでもなく自分の都合や損得ばかりにとらわれて相手が見えないこと。

ところで、人は誰も生き甲斐ある人生を歩みたいと思っています。その生き甲斐を感じるのは自分の目標に向かって邁進しているときであり、人のために一生懸命に汗を流しているときである。なぜなら私たち人間は、人のために尽くすように創られているからであり、利他でなければ生きられないように創られているからです。

人間は一人で生きられず、それぞれの役割を果たしながら、支え合って生きていると学びました。

 私は本当にそうだと感じます。家族の支え、仲間の支え、社会の支えがあって私がある。みんなそれぞれの役割を果たして、支え合っているのです。だから人との共生、自然との共生は利他によって実現する。更に利他を基本に据えた優良企業の2例を教えていただきました。合理化によるリストラなど効率第一主義で収益が黒字になっている会社が優良企業ではないのです。 

一つは従業員80名、チョークを作る日本理化学工業という会社です。工場で働く社員の7割以上が、知的障害をもった人たち。初めは障害者がいなかった会社ですが、障害者に働く体験をさせてくださいと頼まれたそうです。後に社長さんになった常務さんは、法事の席で、和尚さんに、なぜあれほど障害者の方は一生懸命に働こうとするのかと聞いたそうです。和尚さんいわく「人は生きていて、4つのことに幸福を感じます。愛されること、人に褒められること、人に役立つこと、人に必要とされることです。」この言葉を聞いて常務さんは人生観を変えたそうです。社員の仕合わせを優先する「利他的な会社」に時間をかけながら脱皮していったそうです。

もう一つは従業員400名の寒天会社。この会社の最大の目標は、社員が「今がいちばん仕合わせだ」と思えること、地域に貢献することと言っています。リストラもなければ、派遣もない。定年後は、希望すればいつまでも付属の農園会社で働けます。業績も抜群だそうですが、急成長することは用心深く避けているそうです。

この話を聞いて家内は、「和彩館も儲けをモットーにしていない店、人の癒しになれる店にしたい」と言います。 

コスモ夢舞台のモットーの一つに、「一人一人が輝く」と謳っております。先にあげた4つの幸福観に通じるところがあると思っております。コスモ夢舞台つくりは今年で17年目になります。これからも、できることから一歩ずつ進んでいくことになります。