2011.12.19
大学生との接点
佐藤賢太郎

12月17日新潟大学でダブルホームシンポジウムが開催され、会員の小宮さんと参加しました。ご招待いただいたのは、昨年からダブルホームのGグループがコスモ夢舞台のビオトープつくりや里山アート展レセプションに参加したからです。今年は作業とテレビ出演、そして田んぼ夢舞台祭り、里山アート展レセプションと大学生は3回豊実にお出でいただいた。

私は元旦から始まる個展を控え制作に忙しい日々であったが、コスモ夢舞台を若い方に知っていただく良い機会になると思い新潟大学に向かった。

ダブルホームというのは、学部を超えて地域とのつながりで関心のある事柄でグループを作り、大学の外で地域とのかかわりをもつことで人間力を高めようという趣旨のもとに行われています。全国にも珍しい取り組のようであります。

私は今回初めての参加で、どのようにことが運ばれるか知らなかった。学長挨拶のあとのシンポジウムは19グループの報告をそれぞれのグループの学生がされた。そして全体会議があり、質疑応答や意見感想を述べ合い、学生や地域の受け入れ活動をした私たちにも発言の場が設けられた。実行委員長のまとめ、そして副学長のダブルホームの意義を伝え閉会の挨拶で閉じられた。休憩時間に担当の先生や女子大生が話しかけてくれ和やかであった。閉会の後行われた懇親会に行く道々、Gグループの女子大生と話をした。

初めに、全大会で3か所訪問したが、時間の制限があり、どうしたらよいかと質問されたGグループの学生に私の意見を述べました。

時間がないなら、自分たちの関心を絞るか、それともグループを分散化にした方が良いと申しました

。平たくあれもこれもというのでは人間関係も深まらない、一応やったということで終わってしまうと思ったからです。大学生同士気楽に話す機会はあっても、全く知らない地域の大人と話す機会はないでしょう。

大学は卒業しても、社会に出たら気に入った友達同士のようなことは通じないことが一杯あって、挫折を味わうことも多いと思う。これは、社会に出るためのとてもいい勉強の機会だと思う、というようなことを話しました。

さて懇親会会場では同じグループの方が座ることになった。小宮さんは職員の方や男子学生と話していた。私は3人の女子大生と1年生の男子学生と話をしました。会場が一杯でよく聞き取れないことがあったが何とか話ができました。新潟大学の学生はまじめで、礼儀正しくおとなしい方が多いように思いました。

学生に「授業に出ているの?」と聞きますと、「はい出ていますと」明るくすぐ答えてきました。私は、入学まではまじめに勉強しようと志を立てていたが学生運動真っ盛りで、そのうちラグビー部に入り、ラグビーが大学生活のメインなってしまったこと、皆さんのようなまじめな学生ではなく、やっと卒業し教員なったこと、さらに教員を辞めて彫刻家になったことなどを話しました。

学生時代に夢を持つことは大切である。なぜなら、目標があると人は努力します。道はそのとおりにならないかもしれないが目標を持つことは大事です。

「教師になりたい」と夢を語る学生がいました。「それならコスモ夢舞台で実施研修をすればいい、とってもいいチャンスですよ。車がないなら新潟から自転車で着たらどうですか」と言った。他の学生は将来この仕事がしたいということは決まっていないようであった。大学時代こそ自分の人生を考えるありがたい時間でもあります。もっとも私は30歳までに決めればよいと思っていたが、最終的には34歳で彫刻家になることに決まった。そして、今日まで夢を追って生きて来られました。「若者にはおもいきってぶっかってゆくことが大切と思う、失敗してもいい、そこで修正すればいいじゃないか。」そう言いました。

 来年はグループホームに来られたとき、学生は何を考え人生を創ろうとしているか、日本を背負う若者が人生をどう生きるのか、夢をどう組み立てるのか語り合うことができることを期待している。その意味では、作業は話し合う接点になると思う。

今回はジンポジウムで発言したのは一回でしたが、もっと気楽に話し合うようにしたいと反省しました。しかも、学生といろいろと話し合うとてもよい機会であった。グループホームで地域に入っても話し合う時間がなく帰られることを思うと、このようなシンポジウムに参加できたことは、人間関係を深める良い機会であったと心から思った。人生の先輩五十嵐さんや早川さんから頂いた出会いと応援を、今度は私が人生の後輩に伝える番であると思いました。