2020.8.19
今、命がけの仕事
佐藤賢太郎

只今、喜多方市役所に寄贈する作品を制作しています。大げさでなく、それは命がけです。私は4トンのフォークリフトと室内で5トン吊りのホイーストがあります。作品は台座2トン、人体2トン。軽々と持ち上がると思うでしょう。
 ところが、吊り上げの音を聞くと、誰もが体が反応して怖さを感じます。台座の高さ127センチの溝を彫るだけでも大変です。重量が重いので,作品の重心にチエーンを置かないと作品は傾いてしまう。すると鎖が滑る、そして作品が落ちてしまう危険がある
 台座の溝に作品を乗せることが問題です。問題というより難しい、何度もこのやり直しをします。一つ間違えば命がなくなるかもしれない。手を挟めば手はミンチになる。それを命がけと言います。溝に作品をはめるのはリフトでなく室内用のホイーストを使います。ホイーストは高さの制限があり、いい加減ではすみません。さすがに私も万一のためにリフトで支えるように考えました。悪戦苦闘の末、ようやく作品が垂直になりました。命がけの最大の山場が終わりました。
 これで今日は終わり。明日台座に当たるところを削ります。もう二度とこのような危険な彫刻はできません。