2020.4.23
今この時だ
佐藤賢太郎

私は御沓一敏さんに『方丈記』の序文を襖に書いてと頼んだ。しかしなかなか届かない。もっと体調がよくなってから書くつもりでしょうか、容易に書いてくれませんでした。電話で彼は、字が震えるかもしれないと言っていた。しかし私は「今が大切、今が最高」と言った。 
震えたとしても今が最高。御沓一敏さんが全力でむかって生きているから最高。私の彫刻寄贈もそうです。全国設置マップの作成も、アートフェスタも今、生きているときにするのです。

時は今、世界はコロナ禍で不安な毎日を送っている。しかし私は
今がチャンスと思っている。御沓さんは、「人間が今の生き方を
改める時を、神様が与えてくれた。佐藤さんは先端の生き方をし
ている」。そんなことを言っていた。もっと若いころ、浦和で話
していたことを思い出す。                           

この新型コロナウイルスは小手先のことでは済まされない状態ま
で迫っているかもしれない。しかしテレビやマスコミでは不安を取り
上げるが、「本来人間はどう生きるべきか」ということに誰も触れて
いない。5月6日にコロナウイルス問題が終わるのでしょうか。人間
にとって氷河期(?)がやってきているというのに。

 ところで昨日、新聞社が取材にみえた。目的はアートフェスタの開催についてです。期せずして第2回アートフェスタとコロナウイルスが重なり合った。勿論、会場まで案内した。
 そこでアートフェスタの意義を、私は記者に熱く話しました。アートフェスタの取材がコロナの取材となったようだ。これは私が勝手に思っているだけかもしれない。今やコロナの問題は人類存亡の危機になっている。

 話を戻しますが、御沓さんに襖紙を送ることにしました。そして私が貼ることにしました。時は変化している。『方丈記』を書くのは今だ、と私は思う。