2023.5.22
通常総会と縄文アート広場
森 紘一

  5月20日(土)早朝、横浜を出るときは小雨がパラついていた。新白岡で鈴木さんのクルマに、時崎さん、大塚さんと同乗させていただき、豊実へ向かった。明日(21日)、和彩館でコスモ夢舞台の通常総会が開かれる。東京ブロックからは他に、桐山さん、渡辺さん、飯野さんの参加が予定されている。
 東北道の郡山の手前あたりからは、遠くかすむ新緑の山並みに薄日も差しはじめた。磐越道に入ると会津盆地の磐梯山は大きな雲に見え隠れしていたが、豊実はきっと晴れだろう。
 鈴木さんの運転はその後もスムースで大きな渋滞にも遭わず、11時半には豊実に到着した。「お帰りなさーい!」マキ子さんのいつもの明るい声と佐藤さんの笑顔に迎えられた。  
 津川の助っ人矢部さんにも久しぶりにお会いした。気温も上がって、豊実はまるで真夏日だった。

 10人を超す仲間がそろっての昼食席は、懐かしい手の込んだ「笹舟寿司」だった。お味はもちろんのこと、見た目の美しさも抜群である。これは賄い班の見事な作品といえそうだ。

 午後からは縄文のアート広場の草刈りに汗をかいた。秋の「里山アート展」のメイン会場となる予定の高台の平地は雑草に覆われていたが、例の縄文式竪穴住居三棟は悠然と建っていた。あたりの風景にも、すでに溶け込んでいるように見える。この高台眼下の磐越西線と里山アート展会場の田んぼ、その先に広がる阿賀野川と赤い船戸大橋など、素晴らしい眺望は変わらない。
 この広場がますます整備されていく姿を想像することは、我々の喜びであり、我々の生きがいともなっている。

 翌日(21日)、朝食前とその後の総会前の時間を利用して、それぞれに作品作りや草刈りに費やした。ここに多くの人々(国籍や年齢を問わない)が交流する場が育ち、さまざまなイベント等で交流人口がさらに広がっていくことがますます肝要となるだろう。

 ぼんやりと、そんなことを考えながら草刈りをしていてふと思いあたった。今年の里山アート展に与えられたタイトルは「最後まで」とある。山のアトリエで佐藤さんに示された古木の根っこは、まぎれもなく第4回里山アート展の巨木の根っこ「再生」であった。当時、チェンソーで木肌を削り、古木を再生させるようにと指示された記憶がある。あれから16年の時が流れている。今、再びチェンソーの刃を入れるとケヤキの古木から火焔土器の炎がたち上がってくるような錯覚を覚える。これは何の因縁だろうか?
 佐藤さんにフォークリフトで縄文のアート広場に運んでもらった「再生」ならぬ「最後まで」を眺めていると、なるほど遠目にも火焔土器があきらめずに命の炎を燃やし続けているように思えてくる。開催20回目のメモリアルな「里山アート展」とケヤキの巨木の再会は、私にとっても嬉しい思い出となりそうである。

 正午には、参加者10名と委任状15通をもって成立した2023年度通常総会も無事終了。2022年度の収支決算書と2023年度の活動計画案も承認をいただいた。
 「私が元気な限り、里山アート展は続けます」。何よりも佐藤さんの力強い意思表示が我々の支えである。事務処理、会計処理等もできる限り合理化、簡素化をはかっていきたいと思う。
 やはり、対面での会話は有意義です。大変充実した豊実の二日間でした。