2012.06.23
除幕式を無事終えて
大塚秀夫

616除幕式を無事終えました。毎日作品に対峙することがうれしくなります。

この作品が我が家に来るまでの流れには天の配剤のような気がします。計算高く利を求めて動いていたら、この作品は自分のもとに来なかったでしょう。まして毎日作品を眺めるたびにこの豊かな気持ちなどになれなかったでしょう。

2004年当時数十坪の借家住まい。作品を求めても置く場所もない。そのような状況の中で大金をポンとはたいて求めました。しかも作品も見ることなく、どんな大きさかも確認もせず、ましてや想像さえせずに買い求めました。

まあ、『わたしバカよね。』の歌詞のとおりです。でも、このときも熱く里山アート展の構想を語られる佐藤さんの『夢』に共感したですね。

 「作品を買う」と家内に話したところやめてと拒否もしない。否定する言い訳はいくらでもある。たとえば、「3人の小さな子供たちを抱え、これからの教育費を考えればそんな大金どこにあるのですか?」と言われれば、わたしなど家内に反論できません。しかし、家内から言われたのは「お父さん、作品を買うのはこれを最後にしてください。」と懇願されたことだけでした。

除幕式の日に、はじめて作品があらわれたとき、家内が「私、はじめて作品を見ました。」と言いました。
禅の公案に「隻手の声」という言葉があった。つまり片手では音は出ない。両手でしかも同時に打ち合わされてこそ、初めて音が出るということです。私たち夫婦も私の隻手と家内の隻手からはじめは音が鳴らなかったのでしょう。

8年間という月日はコスモ夢舞台の進化とともに私たち夫婦の隻手からも確実にいい音が醸し出されるようになったようです。