2012.06.20
除幕式
佐藤賢太郎

6月16日(土)、コスモ夢舞台の会員でもある大塚秀夫さん宅に私の作った作品を設置することになった。作品を買っていただいたのは何と8年前だという。8年たって、ようやく自宅玄関に設置されることになった。

大塚秀夫さんの凄いのは、大金をはたいて作品を購入したとき、その作品を見ていなかった、どこに置くかも決めていなかったということである。奥さんの京子さんもすごい。普通なら勝手に決めてしまい、離婚しますとでも言われかねないところだが、奥さんが「作品を買うのはこれで最後にしてください」と言って収まったそうです。そして、一度はコスモ夢舞台に作品を寄付しますとも言っていました。しかしながら今回ようやく落ち着くところが定まりました。

はじめ、設置する作品の題名は「3兄弟」でした。その後、私はガンになり命にとても関心が深くなりました。大塚秀夫さんとの出会いも一期一会である、そんな思いから題名も「一期一会」と変更しました。

その日の作品設置は時崎庸二さんと大塚秀夫さん、それに私で行った。狭い路地に3トンユニックをやっと入れ、汗だくで無事設置ができた。奥さんはちらりとその様子を見て怖かったと言っていました。 

予定より早く設置でたので、里山アート展に出そうと計画していた蓮田の旧アトリエの石の柱を引き抜きに行くことにした。

それはきわめてハードなスケジュールになったが、蓮田のアトリエに着くと、大野さんと遠藤さんは雨にもかかわらず、準備万端だった。

ユニックで引き抜くのだが、これが命がけの危険な仕事になった。冷や汗をかきながら2本を引き抜き、2トンある石柱一本だけをトラックに積んだ。そして、大塚秀夫さんの除幕式に駆け込んだ。定刻の除幕式時間に間に合わないところ大塚秀夫さんが機転を利かせて食事を先にして時間を稼いでくださった。

ところで、ふくろうの作品の高さは私が決めたというより自然が決めてくれたのです。初めの高さより低くなりました。石の台座に穴をあけていたところ、水が入り、氷によって石が割れて高さが決まってしまいました。ところが、設置してみると高からず低からずのジャストフィットだったのです。

私は天の声に従っただけなのに、大塚秀夫さんと私の出会いも、きっとそのようなものであろう。コスモ夢舞台の会員の皆さんとの出会もそのように仕組まれていたような気がする。

小さな除幕式を無事成功裏に終えることができ、大きな感動をいただきました。